研究課題/領域番号 |
23K14220
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
樋口 真之輔 神戸大学, 附属学校部, 附属中等教育学校教諭 (20847131)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 平衡胞 / 平衡石 / 平衡感覚器 / 無腸動物 / 有毛細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物において平衡覚と聴覚を担う感覚器である内耳は、三半規管や蝸牛管など複雑な形態をもつ膜迷路(容器)の中に有毛細胞(検出器)を含む構造である。ところが、「容器」それ自体の獲得過程、すなわち左右相称動物の共通祖先における平衡感覚器の初期進化については未解決の問題である。そこで、左右相称動物の共通祖先から初期に分岐したと目される無腸動物をおもな材料に、平衡感覚器の初期進化を探究する。
|
研究実績の概要 |
脊椎動物は一般に、体の回転や重力の方向といった平衡感覚を内耳で受容する。内耳とは、外界から隔離された膜迷路と呼ばれる腔の各所に有毛細胞が配置された構造である。一方、脊椎動物以外の左右相称動物は内耳と呼べるような構造をもたないものの、有毛細胞は多くの左右相称動物に見出される。すなわち、動物の進化において「検出器」である有毛細胞がまず獲得され、これを「容器」である膜迷路に配置することで、平衡感覚を担う内耳が獲得されたと考えられる。 これまでの研究により、脊椎動物の一系統である円口類の内耳膜迷路に着目し、進化発生学的な手法により脊椎動物の平衡感覚器における「容器」の進化についての新たなシナリオを提示されてきた。しかし、そもそも左右相称動物の共通祖先から脊椎動物へと至る進化史における「容器」の獲得過程や、そこに「検出器」がどのように存在していたかについては未解決の問題である。そこで、本研究は左右相称動物の共通祖先から初期に分岐したとされる動物群の無腸動物を用いて、動物の平衡感覚を担う感覚器の初期進化の推定を目的とする。 本年度はまず、平衡感覚器の「容器」となる上皮性の構造が発生時に胚体に形成されるメカニズムについて探究し、次年度も継続する。さらには、得られた結果の検証と並行し、「検出器」である有毛細胞が分化して配置されるメカニズムを推定するために、in situ hybridizationによる解析を実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、平衡感覚器の「容器」となる上皮性の構造が発生時に胚体に形成されるメカニズムについて形態学的に記述するための実験を計画しており、概ね必要なデータを収集できたため、全体としては「概ね順調に進展している」といえる。
|
今後の研究の推進方策 |
上述のとおり、平衡感覚器の「容器」となる上皮性の構造が発生時に胚体に形成されるメカニズムについて形態学的なデータが得られつつあるので、さらに「検出器」である有毛細胞が分化して配置されるメカニズムを推定するために、in situ hybridizationによる解析を実施する。
|