研究課題
若手研究
鼻腔と口腔を分離する口蓋は哺乳類が獲得した特徴的な形質の一つであり,生存に必須の機能を担っている.その一方で哺乳類の口蓋はその系統や食性に応じて多様化しており,その中でも近縁系統内で顕著な多様性を示すのがコウモリ類である.哺乳類口蓋の形態的多様性については,これまでその発生学的な分子メカニズムについて言及されていない.本研究ではコウモリ類を新規の実験モデルとし,組織学的解析とゲノミクスを組み合わせた比較発生学的アプローチによってコウモリ類における口蓋の多様性を生む分子メカニズムを解明するとともに,ヒト口唇口蓋裂の先天予防へ貢献しうる知見の獲得を目指す.