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チョウ目絹糸昆虫における糸合成コストの研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K14267
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分45040:生態学および環境学関連
研究機関琉球大学

研究代表者

加藤 三歩  琉球大学, 農学部, 協力研究員 (00866212)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード擬態 / 糸生産 / 形態解析 / 寄生 / トレードオフ / 免疫
研究開始時の研究の概要

糸を吐く昆虫類(糸生産昆虫)とその用途は多様であるが、タンパク質を主成分とする糸の生産には大きなコストを要することが予想される。チョウ目においては、糸生産昆虫が多数を占める一方で、糸生産コストの研究はまったく進んでいない。本研究では、複数のチョウ種における多量の糸生産が各種の免疫能と翅の形態形成に及ぼす影響を多面的に解析する。

研究実績の概要

本研究の目的は、チョウ目の糸生産が翅の形態形成に及ぼす相互作用を明らかにし、それらの生活史との関連を考察することである。初年度は、チョウ目の幼虫に糸の生産を強制する飼育系を考案した。幼虫は壁面等を歩行する際に滑り落ちないように糸で足場を補完しながら進むが、滑りにくい材質の上では糸を吐かない。この性質により、内側側面をキムタオルで加工したバイオカップ(減産処理区)で幼虫を飼育すると、未加工のカップ(通常処理区)で飼育したときよりも糸の生産を減らすことができる。これらの処理区で飼育したモンキアゲハの翅を幾何学的形態解析にかけると、減産処理区よりも通常処理区で飼育したオスの翅の左右非対称性が増加することが明らかになった(非対称な翅は短い寿命や低い交尾成功率をもたらす)。さらに、オスの翅のセントロイドサイズが小さくなった一方で、メスの翅のサイズは増加した。諸説あるが、大きい翅は長距離の移動に適しているといわれる。糸生産に伴うこれらの翅形態の変化は、モンキアゲハのメスが好適な生息地を探索できるように適応した結果であるかもしれない。これらのことについて結果をまとめ、学会発表を行った。また、モンキアゲハに寄生するヤドリバエの寄生率を調べると、減産処理区でより低くなることが分かった。これは、免疫を機能させるのに必要なタンパク資源の多くを糸生産にあてたためであると予想される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

飼育スペースの都合と飼育個体の大量死により一部の種の飼育実験に遅れが生じている。協力者との密な連絡、早期調整、及び定期的な飼育状況の把握に努めて、飼育実験の効率化を図りつつ、今年度も実験を継続する。

今後の研究の推進方策

チョウ目の糸生産に伴う翅形態及び寄生率の変化の一般性を調べるとともに、寄生率の増加を引き起こすメカニズムを調査する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 琉球列島におけるシロオビアゲハ翅形状の島嶼間比較2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木智大、吉岡秀陽、加藤三歩、辻和希
    • 学会等名
      日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会 合同大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] シロオビアゲハ翅形状の形態間および島間比較2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木智大、吉岡秀陽、加藤三歩、辻和希
    • 学会等名
      日本動物行動学会第42回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] シロオビアゲハの擬態型メスは性選択のコストを被るか?2023

    • 著者名/発表者名
      吉岡秀陽、鈴木智大、加藤三歩、鶴井香織、辻和希
    • 学会等名
      日本動物行動学会第42回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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