研究課題/領域番号 |
23K14274
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
横山 大稀 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員 (60853900)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 機械学習 / Neural Network / Neural ODE / 種間相互作用 / 時系列解析 / ニューラル常微分方程式 / 生態学 / 力学系 |
研究開始時の研究の概要 |
【2023年度】DNA・代謝物・元素等の野外モニタリングの実施する。また連携可能な環境観測データの収集を行う。ニューラル常微分方程式の解析プログラムの構築を行う。 【2024年度】DNA・代謝物・元素等の野外モニタリングの実施する。また連携可能な環境観測データの収集を行う。シミュレーションデータに対して、ニューラル常微分方程式による解析を実施し、性能を検証する。 【2025年度】DNA・代謝物・元素等の野外モニタリングの実施する。また連携可能な環境観測データの収集を行う。実環境の時系列データに対して、ニューラル常微分方程式による解析を実施し、性能を検証する。解析プログラムをツール化して公開する。
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研究実績の概要 |
本研究では、生態系・生物動態データに対して、ニューラル常微分方程式(Neural Ordinary Differential Equations:NODE)の適用を行い、因果推論を通じて変数間の相互作用強度を可視化することを目指す。今年度はまずNODEモデルの構築を主に行った。まず初めに、検証用データとしてLotka-Volterraモデルに基づく3種の種間相互作用のシミュレーションを行い、ノイズを加えた時系列の個体群変動データを生成した。先行研究を参考にして、以下の手順に基づくNODEを実装した。まず、時間tを入力、個体群密度を出力とするニューラルネットワーク(ANN)を構築し学習させることで、時系列データの補完値を得た。次に、学習されたANNの出力(個体群密度)の時間に対する導関数、すなわち個体群密度の変化率を計算した。さらに補完された個体群密度を入力、解析解に基づく個体群密度の変化率を出力とするNODEを構築し、時間依存するシステムのダイナミクスを学習させた。NODEによる出力値と、ノイズを加える前のLotka-Volterraモデルの出力値で交差検証を行い、シミュレーションによる個体群密度変化を高い予測精度で予測できていることを確認した。 また、来年度以降実施予定の実時系列データでのNODE解析のために、魚飼育水槽中の水や野外における樹木葉のサンプリングを行った。16SrRNAアンプリコンシーケンスによる微生物群集分析や核磁気共鳴による代謝物分析を行い、水槽中の微生物群集の変化や葉の代謝物の変化に関する時系列データを1年分取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はニューラル常微分方程式(NODE)モデルの実装を主に行い、シミュレーションデータを用いてその予測精度を検証することができた。また来年度以降実施予定の実データへの適用のため、時系列データの収集も行い、1年分の時系列データを取得した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はニューラル常微分方程式(NODE)を実装し、ノイズを加えたシミュレーションデータに対しての予測精度を検証した。一方で、学習したNODEモデルを用いた変数間の因果推論(相互作用強度)の実装はできていないため、その定量化手法の検討と実装を行う。さらに因果関係が微分方程式として定義されているシミュレーションデータに適用することで、正しく因果関係が推論できているのか検証する。シミュレーションデータでの検証ができた後に、実観測データに当モデルを適用し、変数間の相互作用をグラフ構造として可視化することを目指す。
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