研究課題/領域番号 |
23K14307
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
松田 烈士 関西医科大学, 医学部, 研究員 (50952347)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | グリア細胞 / 代謝制御 / 休眠 / 体温制御 / 低代謝誘導 / 化学遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
冬眠や休眠は自ら代謝を低下させることで,寒冷・飢餓などの極限環境下を生き抜く生存戦略である.冬眠動物のように酸素需要を安全に低下させる人工冬眠が実現できれば,救急医療や臓器保存などさまざまな応用が可能なため,その機序解明に注目されている. 代表者は最近,特定の領域に存在するグリア細胞を活性化させることでマウスを低代謝状態へと誘導できる可能性を見出した.本研究ではその現象を詳細に解析することでマウスが保有している能動的低代謝能を制御する新たな中枢メカニズムを明らかにすることを目指す.
|
研究実績の概要 |
哺乳動物が野生環境で行う冬眠は年に1回しか観察できない現象であり,冬眠・休眠様の低代謝を研究するには長い年月を要する.代表は脳の特定領域に存在するグリア細胞がマウスの全身代謝を低下させ,休眠様状態へと誘導する可能性を見出した.本研究では,グリア細胞を切り口とすることで代謝状態を制御する新たな中枢メカニズムを明らかにすることを目指す. グリア誘導性低代謝状態のマウスの生理状態変化を解析したところ,体温を含めたいくつかの自律神経機能の抑制が認められた.興味深いことに,このときのマウスは意識消失しているわけではなく,たとえば捕まえようとして手を近づけると,通常のマウスと同様に実験者の手から逃避する行動を示す.また,麻酔時のように室温程度まで体温が低下することはないことから,体温や代謝を保持する仕組みの一部の経路のみが影響を受けた結果であると想定される.この仕組みを明らかにするため,アンタゴニストを用いた薬理学的な解析を実施したところ,グリア誘導性低代謝に関わる重要な受容体(候補)を発見した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた計画をすべて実施できた.また,当初来年度に実施予定であった計画の一部を前倒しで実施できている.
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り,細胞種特異的な操作を行い,より詳細な解析ができるように遺伝学的ツールの導入・実験系の構築を進める.本年度は少し前倒しでそのシステム構築の準備を進めることができた.
|