研究課題
若手研究
医薬品中のフッ素原子は薬物の吸収性や薬効の向上等に大きく影響を与えるため、様々な分子にフッ素を導入する手法が開発されてきた。フッ素アニオンを用いる求核的フッ素化は簡便で最も汎用されるが、環境負荷の少ない水やアルコール中では、フッ素アニオンが溶媒和されて求核性が低下し、フッ素化が進行しない。一方申請者は、N-アリールピリジニウムフルオリド(ArNF)が、メタノール中でも高い求核性を示すという特異な反応性を見出した。そこで本研究は、ArNFの特性を解明してアルコール中でもフッ素化を可能にする新たな求核的フッ素化法を確立し、グリーンケミストリーの推進にも直結する画期的なフッ素化技術を創成する。