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従来法では不可能なアルコール中で求核的フッ素化できる環境調和型フッ素化法の創出

研究課題

研究課題/領域番号 23K14329
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
研究機関摂南大学

研究代表者

軽尾 友紀子  摂南大学, 薬学部, 講師 (30826235)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード求核的フッ素化 / 環境調和型フッ素化法
研究開始時の研究の概要

医薬品中のフッ素原子は薬物の吸収性や薬効の向上等に大きく影響を与えるため、様々な分子にフッ素を導入する手法が開発されてきた。フッ素アニオンを用いる求核的フッ素化は簡便で最も汎用されるが、環境負荷の少ない水やアルコール中では、フッ素アニオンが溶媒和されて求核性が低下し、フッ素化が進行しない。一方申請者は、N-アリールピリジニウムフルオリド(ArNF)が、メタノール中でも高い求核性を示すという特異な反応性を見出した。そこで本研究は、ArNFの特性を解明してアルコール中でもフッ素化を可能にする新たな求核的フッ素化法を確立し、グリーンケミストリーの推進にも直結する画期的なフッ素化技術を創成する。

研究実績の概要

化合物中へのフッ素原子導入法の中でもフッ化物塩を用いた求核的フッ素化は有用な反応であるが、水やアルコール等のプロトン性溶媒中ではフッ素アニオンの求核性が大幅に低下するため、水溶性の高い医薬品を直接フッ素化することが困難であった。そこで、申請者が独自に開発した、プロトン性溶媒中でも高い求核性を有するN-アリールピリジニウムフルオリド(ArNF)の稀有な反応性を解明し、プロトン性溶媒中での実用的な求核的フッ素化法を開発することを目的として、研究を開始した。
2023年度は、「ArNFがプロトン性溶媒中で高い求核性を示す仕組みの解明」について集中的に取り組んだ。まずは溶液状態におけるArNFのフッ素アニオンと対カチオンの位置関係を調査するため、テトラブチルアンモニウムフルオリドやフッ化カリウムなどの従来の求核的フッ素化試薬とArNFに関して次の三つの実験内容を検討し、反応性の詳細な調査を行った。① 種々の置換基を有するArNFを合成してメタノール中で脱シリル化反応を実施し、その反応性を定量的に評価する。②重メタノールや含重水溶媒中で1H及び19F DOSYを測定し、対イオン同士の相互作用の強さや会合度等を定性的に評価する。③反応性との直接的な相関は得られないが、X線結晶構造解析により対カチオンとフッ素アニオンの距離を測定し、密接なイオン結合を形成しているのかを定量的に評価する。また、ArNF毎の求核性の違いについても、併せて解明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

種々のArNFの合成を達成し、その反応性について①シリルエーテルの脱シリル化反応や②各種NMR実験で精査した。更に、①において収率よく反応が進行したArNFについては、③X線結晶構造解析を実施した。①~③で得られた結果の比較と解析を進めており、ArNFがプロトン性溶媒中で求核性を保持できる理由について明らかにしている途中である。

今後の研究の推進方策

2024年度の前半には、研究実績の概要で記載した「ArNFがプロトン性溶媒中で高い求核性を示す仕組みの解明」の内容を完了する。前述の内容が終了次第、「ArNFを用いたプロトン性溶媒中での求核的フッ素化の条件検討と実用化」について開始し、本2項目の内容をまとめて学会発表や論文発表を実施したい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] N-アリールアンモニウムフルオリドの合成と求核的フッ素化能の評価2023

    • 著者名/発表者名
      上本 将太、軽尾 友紀子、樽井 敦、佐藤 和之、河合 健太郎、表 雅章
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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