研究課題/領域番号 |
23K14348
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
稲垣 佑都 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 助教 (70917947)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | Ataxin-2 / ポリA鎖伸長 / ストレス顆粒 / 細胞質ポリA鎖伸長 / 遺伝子発現制御 / 脊髄小脳変性症 / mRNA |
研究開始時の研究の概要 |
2型脊髄小脳変性症は進行性の小脳萎縮を特徴とする難治性の疾患で、有効な治療法の開発が社会的に求められている。その原因因子として同定されたAtaxin-2にはポリグルタミン配列が存在し、そのポリグルタミンの異常伸長によって2型脊髄小脳変性症が発症する。 研究代表者らは、最近Ataxin-2の生理機能として『標的mRNAの3’末端ポリA鎖を伸長することでその翻訳を活性化する』ことを明らかにしており、本研究では、Ataxin-2のポリグルタミン異常伸長がAtaxin-2による翻訳活性化能に与える影響を解析し、2型脊髄小脳変性症発症の分子メカニズムを解明することを目的としている。
|
研究実績の概要 |
申請者はこれまでに、2型脊髄小脳変性症原因因子であるRNA結合タンパク質Ataxin-2がポリAポリメラーゼPAPD4をリクルートすることにより、CyclinD1やTDP-43などのAtaxin-2標的mRNAの細胞質ポリA鎖伸長を引き起こし、翻訳を活性化することを明らかにした。また、Ataxin-2のC末端領域がAtaxin-2のポリA鎖伸長に必要不可欠であることも明らかにしてきた。本年度においては、Ataxin-2のポリA鎖伸長と神経変性疾患の一種である2型脊髄小脳変性症との関連性を明らかにするために、Ataxin-2の欠失変異体を用い、ストレス顆粒の形成について解析を行った。 その結果、Ataxin-2のポリA鎖伸長に必要不可欠なC末端領域がAtaxin-2のストレス顆粒の局在に関与していることを見出した。この結果は、Ataxin-2によるmRNAポリA鎖伸長がストレス顆粒の形成に関与している可能性を示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ataxin-2の生理機能である細胞質ポリA鎖伸長とストレス顆粒との関係性を示唆する結果が得られており、2型脊髄小脳変性症を引き起こす分子メカニズムの解明に一歩近づくことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度明らかにした知見も踏まえ、来年度の研究を進めていく。 また加えて、本年度に作製したポリグルタミン異常伸長したAtaxin-2の発現コンストラクトを用い、来年度も当初研究計画に準じて進めていく。
|