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難治性てんかんに対する温度感受性TRPA1チャネルの有効性と病態制御基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K14356
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分47040:薬理学関連
研究機関山口大学

研究代表者

森山 博史  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40816633)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワードてんかん / TRPA1作動薬 / 細胞外グルタミン酸濃度 / 脳波 / てんかん発作 / マウス / てんかん誘発剤 / ペニシリンGカリウム / TRPA1チャネル / 電気生理学 / パッチクランプ
研究開始時の研究の概要

てんかんの生涯有病率は約1%である.このうち,抗てんかん薬でコントロール不良な難治性てんかんはてんかん全体の約3割と多い.そこで我々は,脳を直接冷やす局所脳冷却技術を開発し,難治性てんかんに対する有効性を示してきた.しかし,侵襲性が高く,臨床応用には至っていない.したがって,本研究では局所脳冷却技術を薬剤で代替可能か検討する.その候補が冷却温度(15℃)で活性化するTRPA1チャネルである.
本研究では,新規作用機序に基づく抗てんかん薬の開発を大目的とする.TRPA1チャネルの抗てんかん作用をてんかんモデル動物単位及び細胞単位で調べ,TRPA1チャネルによるてんかんの病態制御基盤を解明する.

研究実績の概要

【研究目的】研究初年度は薬剤の作用点であるTRPA1受容体が活性化することで抗てんかん作用を示すか,てんかんモデルマウスを用いて検討した.また,TRPA1受容体活性化による抗てんかんの効果がてんかん発作の原因物質のひとつであるグルタミン酸の細胞外濃度に起因するか検討した.
【研究方法】本研究では吸入麻酔下,マウスの左脳(大脳皮質)にてんかん誘発剤を注入し,てんかん焦点を作製した.てんかん誘発剤は抑制性の細胞を不活性化するペニシリンGカリウムを使用した.TRPA1受容体活性化剤であるアリルイソチオシアネートをてんかん誘発剤よりも前に注入し,その効果を調べた(陽性対照群).TRPA1受容体活性化剤の効果を調べるためにTRPA1受容体活性化剤の代わりに溶媒をてんかん誘発剤よりも前に注入する群(陰性対照群)を作製し,2群間比較を実施した.薬効評価項目は①麻酔時のてんかん様異常脳波強度・②麻酔時の細胞外グルタミン酸濃度・③覚醒時のてんかん発作強度とした.
【結果】陰性対照群では,てんかん誘発剤注入後にてんかん様異常脳波の強度および細胞外グルタミン酸濃度が上昇し,覚醒時のてんかん発作強度が上昇した.一方,陽性対照群ではてんかん誘発剤によるてんかん様異常脳波の強度,細胞外グルタミン酸濃度の上昇,覚醒時のてんかん発作強度が軽減された.また,TRPA1受容体活性化剤前投与による細胞外グルタミン酸濃度の上昇軽減率とてんかん様異常脳波強度およびてんかん発作強度の軽減率は正の相関を示した.
【本研究の意義・重要性】本研究の成果から,TRPA1受容体活性化剤は抗てんかん様の作用を示し,その作用機序は細胞外グルタミン酸濃度の調整であることがわかった.この作用機序は既存の抗てんかん薬とは異なるため,新規作用機序に基づく抗てんかん薬の開発につながる可能性があると考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画当初に予定していたTRPA1チャネル作動薬による抗てんかん作用機序を解明できたため.

今後の研究の推進方策

てんかんモデルマウスを用いて得られた研究成果が細胞単位でも成立するか電気生理学的手法を用いて検討する.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 焦点起始発作マウスを用いたTRPA1作動薬による細胞外グルタミン酸濃度調節を介した抗てんかん様作用2023

    • 著者名/発表者名
      森山 博史 、野村 貞宏、井本 浩哉 、丸田 雄一、石原 秀行
    • 学会等名
      第56回日本てんかん学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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