研究課題/領域番号 |
23K14362
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
濱田 祐輔 星薬科大学, 薬学部, 助教 (10806326)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | μオピオイド受容体 / µオピオイド受容体 / 知覚神経 / 免疫細胞 / 腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
内因性μオピオイドネットワークは、代表的な痛覚制御機構であるばかりでなく、末梢において多彩な生理応答の制御に関与する。しかしながら、μオピオイドによる免疫応答の調節機構については、生体免疫機構の複雑性や解析における時間・空間的分解能が乏しかったため、免疫制御やがん病態におけるオピオイドシステムの位置付けは、未だ明瞭ではない。そこで本研究では、遺伝子組換えによる末梢性μオピオイドシステムの細胞種特異的制御モデルマウスを作製し、免疫応答に対する末梢性μオピオイドシステムの役割とその分子メカニズムを解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
初年度である今年度は、末梢性μオピオイド受容体の発現制御を行うための末梢の細胞種特異的なμオピオイド受容体遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの作製を行い、移植腫瘍の肥大化への影響について解析を試みた。はじめに、末梢神経や免疫細胞に発現するμオピオイド受容体の発現抑制を誘導するために、それぞれの細胞種特異的なCreドライバーマウスと、Cre存在下でμオピオイド受容体遺伝子の欠損が可能なFloxed-MORマウスを交配させ、末梢の細胞種特異的なμオピオイド受容体遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの樹立作製を行った。この作製したマウスについて、μオピオイド受容体遺伝子の発現抑制を確認したところ、特定サブタイプの末梢神経特異的にμオピオイド受容体遺伝子を欠損させたマウスでは、脊髄後根神経節や脊髄において特異的にμオピオイド受容体の発現抑制が誘導されており、一方で特定サブタイプのリンパ球特異的にμオピオイド受容体遺伝子を欠損させたマウスでは、標的リンパ球において特異的にμオピオイド受容体の発現抑制が誘導されていることを確認した。このように作製したμオピオイド受容体遺伝子コンディショナルノックアウトマウスを用いて、マウス由来肺がん細胞株の皮下移植による担がんマウスを作製し、腫瘍肥大化の変化について検討を行ったところ、特定サブタイプの末梢神経特異的にμオピオイド受容体遺伝子を欠損させたマウスでは、腫瘍肥大に顕著な変化が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
μオピオイド受容体遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの樹立において、Floxed-MORマウスやCreマウス等のセットアップを比較的速やかに準備することができたため、計画に準じて本研究を実施することができた。また、担がんマウスの作製や腫瘍肥大の評価などの条件設定も確立することができたため、比較的速やかに解析を行うことが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、末梢の細胞種特異的なμオピオイド受容体遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの樹立作製を行い、腫瘍肥大の変化について解析を行うことが可能となった。次年度以降は、末梢の細胞種特異的にμオピオイド受容体を発現抑制させた際のがん細胞-免疫細胞相互作用に着目し、μオピオイド受容体の腫瘍免疫に対する影響について解析を進める予定である。特に、免疫細胞の動態を解析するためには、FACS法などの生化学・分子生物学的手法などの応用が必要であるため、実験条件のセットアップを行う。また、がん細胞上のμオピオイド受容体も腫瘍免疫に関して機能する可能性があるため、μオピオイド受容体欠損がん細胞の樹立作製を行い、個体移植実験や分子細胞学的解析を進める必要がある。
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