研究課題/領域番号 |
23K14364
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
羽田 和弘 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (60849090)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / 軽度認知障害 / オレキシン受容体拮抗薬 / スボレキサント / レンボレキサント / オレキシン |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー型認知症に対する研究は以前より盛んにおこなわれており、これまでの研究から病理学的にはアミロイドベータ (Ab) の蓄積とtubulin-associated unit (Tau) のリン酸化異常亢進による神経変性が主要因子とされている。しかし、未だ有効な治療法が確立されていないため、病態関連シグナルの詳細なメカニズム解明及び病態に即した革新的な創薬研究が求められている。本研究ではアルツハイマー型認知症とオレキシン神経の関係を明らかにすることで、未だ有効な治療薬の存在しないアルツハイマー型認知症の新たな治療・予防標的を提示することを目指す。
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研究実績の概要 |
アルツハイマー型認知症 (Alzheimer’s disease; AD) に対する研究は以前より盛んにおこなわれており、これまでの研究から病理学的にはアミロイドベータ (Ab) の蓄積とtubulin-associated unit (Tau) のリン酸化異常亢進による神経変性が主要因子とされている。しかし、未だ有効な治療法が確立されていないため、病態関連シグナルの詳細なメカニズム解明及び病態に即した革新的な創薬研究が求められている。近年、AD患者脳脊髄液内におけるオレキシン (OX) 濃度の異常が報告されており、病態との関連性が示唆されている。しかし、ADにおけるOXの主な役割、Ab及びTauの凝集・分解過程におけるOXの関与は未だ明らかとなっていない。そのため、本研究ではADとOXの関係を明らかにすることで、未だ有効な治療薬の存在しないADの新たな治療・予防標的を提示することを目的に実施した。
今年度は下記について実施した。 4ヵ月齢App-KIマウスにSuv、Lemを60日間1日1回経口より投与(慢性投与)し、認知機能障害に対する影響をY-maze試験にて評価した。その結果、SuvおよびLemを慢性的に投与することにより認知機能障害を有意に抑制することを明らかにした。加えて、認知機能評価後のマウスより海馬スライスを作成し、CA1領域における長期増強 (LTP) を測定した。その結果、App-KIではWTと比較してLTPの増強が見られ、Suv、Lemの慢性投与により抑制された。ここまでの結果よりSuv、LemはApp-KIで見られる海馬におけるLTP増強を抑制し、認知機能障害を抑制している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はOX受容体拮抗薬の慢性投与によりApp-KIマウスでみられる行動学的および電気生理学的異常を抑制し得ることを明らかにした。しかし、これら抑制の原因解明にはin vitro の実験及びモデルマウス脳内におけるオレキシン神経の関与を明らかにする必要があるが、それらを明らかにできていないため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は今年度得られた行動学的および電気生理学的異常抑制の原因を明らかにするため神経細胞の形態学的解析及び脳内神経伝達物質の網羅的解析を行う予定である。さらに、分子メカニズムに着目するためにin vitroの研究を実施する。
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