研究課題/領域番号 |
23K14365
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
田中 早織 大阪医科薬科大学, 薬学部, 助教 (10626807)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 2型糖尿病合併脂質異常症 / トリグリセリド再合成酵素 / 小腸上皮細胞 / PPAR / 脂肪酸結合タンパク質 / 脂質異常症 |
研究開始時の研究の概要 |
脂質異常症に関する治療の研究は肝臓を標的とした治療戦略に偏っているのが現状である。脂質異常症の発症や病態形成には主に食事性脂質による小腸からの吸収が関与するにも関わらず、小腸での脂質吸収を標的とした治療法は確立されていない。本研究の目的は、「TG再合成酵素の制御機構を解明し、脂質異常症の改善を図ること」であり、以下の3点を明らかにする。①2型糖尿病合併脂質異常症モデルラットの構築とTG再合成酵素の制御因子候補の同定、②制御因子阻害実験によるTG再合成酵素の制御因子の同定、③制御因子の阻害による高TG血症の治療である。
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研究実績の概要 |
脂質異常症の発症や病態形成には主に食事性脂質による小腸からの吸収が関与するにも関わらず、小腸での脂質吸収を標的とした治療法は確立されていない。生体内での脂質恒常性維持には小腸からの供給源である食事性脂質(主にトリグリセリド)の吸収が重要であり、脂質異常症の発症・治療との関連が注目されているが、治療薬開発へと発展していない。 我々の研究から脂肪吸収を調節する脂肪酸結合タンパク質、脂質代謝調節に関与するPPARが高トリグリセリド血症の病態に大きく寄与していることが分かった。従って2型糖尿病に合併する脂質異常症発症機序として消化吸収面を調節する小腸に着眼点を置き、さらにはPPARと脂肪酸結合タンパク質との役割に着目してトリグリセリド再合成酵素の制御機構の解明を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2型糖尿病合併脂質異常症モデルラットの構築とトリグリセリド再合成酵素の制御因子候補の同定を試みた。2型糖尿病モデル(OLETF)ラットは対象ラット(LETO)を比較してトリグリセリド値が増加した。また、空腸におけるトリグリセリド再合成酵素(MGAT2、DGAT1)、PPARαおよびγ、脂肪酸結合タンパク質である脂肪酸トランスロカーゼ(CD36)および脂肪酸輸送タンパク質(FATP1あるいは4)の発現を測定した。PPARγがOLETFラットで有意に増加し、トリグリセリド再合成においてはMGAT2がOLETFラットで有意に増加していた。このことからもトリグリセリド再合成の調節にはPPARγが関与していることが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、制御因子の阻害実験によるトリグリセリド再合成酵素の制御因子の同定を試みる。高脂肪食を摂取させたOLETFラットにPPARγ阻害剤を投与する。その後、総コレステロール値及びトリグリセリド値を測定する。空腸部分を単離し、トリグリセリド再合成酵素および脂肪酸輸送タンパク質の発現を解析する。
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