研究課題/領域番号 |
23K14374
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
西村 壮央 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 助教 (30963649)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 中分子化合物 / 天然化合物 / 化合物ライブラリー / ケミカルスペース |
研究開始時の研究の概要 |
既存の中分子化合物とは異なるケミカルスペースを有する化合物ライブラリーの構築は、医薬品シーズ探索に重要である。 本研究では、天然ポリケチドの分解反応により多様なユニットを得た後に、これらを環状ジテルペンへの組み込みと環構造の再構築により新奇性の高い化合物群を創出する。 得られた化合物を生物活性試験などにより評価し、天然化合物を基盤とした新たな中分子化合物ライブラリー構築の方法論を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、天然物の構造を基盤として「伸長型テルペンーポリケチドハイブリッド化合物」の構築を目指した。「伸長型テルペンーポリケチドハイブリッド化合物」とは申請者が定義する言葉で、植物が産生する化合物に多く見られるテルペン、微生物が産生する構造に見られるポリケチドの両化合物の特徴を有する化合物のことである。このような化合物を植物や微生物から大量供給可能な天然物を用いて、適切な化学反応に供することで、複雑な化学構造と多様な官能基を持つ化合物の構築を行う。これにより、未踏のケミカルスペースを持つ化合物群が得られると期待できる。 本年度は、適切な天然物の探索と誘導体化について重点的に検討を行い、植物由来成分としてアビエチン酸を、微生物由来成分としてブレフェルジンAを選択した。その結果、アビエチン酸の構造を基盤に、3つのビルディングブロックへと誘導する合成経路を確立した。また、糸状菌 Penicillium brefeldianumの培養条件を最適化し、ブレフェルジンAの大量供給を可能にした。 これを用いて、4つのビルディングブロックへと導き、アミノ酸を導入し大環状構造を構築することで既存のペプチドとは異なる構造的特徴を有する化合物ライブラリーの構築を行った。 本研究により構築される化合物ライブラリーは、既存の医薬品や天然物、ペプチドライブラリーとは一線を画していると期待できる。このことは、得られる構造を基に作成したバーチャルライブラリーを用いた予備的なケモインフォマティクス解析により、明らかにされている。今後、実際の化合物を供給し、広い生物活性を指標にスクリーニングを行うことで、有用なリード化合物の発見につながると期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、植物由来のアビエチン酸の構造を基盤に3つのビルディングブロックへと誘導する合成経路を確立した。また、糸状菌 Penicillium brefeldianumの培養条件を最適化し、ブレフェルジンAの大量供給を可能にした。 これを用いて、4つのビルディングブロックへと導き、アミノ酸を導入し大環状構造を構築することで既存のペプチドとは異なる構造的特徴を有する化合物ライブラリーの構築を行った。 さらに、得られる構造を基に作成したバーチャルライブラリーを用いた予備的なケモインフォマティクス解析により、既存の医薬品、天然物およびペプチドライブラリーとは異なる構造的特徴を有していることが明らかにされている。 以上の結果より、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では、植物由来成分としてアビエチン酸、微生物由来成分としてブレフェルジンAを用いて検討を行っている。今後は使用する天然物を増やしていくことで、より多様な化合物の創出が可能となると期待できる。具体的には、ポリエーテル型化合物モネンシンや、フラボノイドなど、これまでの検討には使用してこなかった構造的特徴を有する化合物を利用することで、よりケミカルスペースを広げることが可能であると期待できる。 また、得られた化合物については、順次生物活性試験に供することで、生物活性を指向した構造展開も行う予定である。実際に、中南米地域で蔓延しているシャーガス病の原因となる、トリパノソーマ原虫に対するアッセイ試験法を確立しており、このような評価方法を併せて検討していく。
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