研究課題/領域番号 |
23K14402
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
池谷 怜 国立保健医療科学院, その他部局等, 研究員 (50846540)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | かかりつけ薬剤師 / レセプトデータ / 経済評価 / 薬剤師の職能 / 疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
2016年度調剤報酬改定により、保険薬局を利用する患者の一元的かつ継続的な薬物治療を促すことを目的としてかかりつけ薬剤師制度が始まったが、制度の利用を通じて健康状態に関連したアウトカムが改善するのか、そして設定された調剤報酬点数に見合う価値があるのか明らかでない。 そこで本研究では、かかりつけ薬剤師制度の利用により、入院を中心としたアウトカムが低減するのかをレセプトデータを用いて評価する。その結果をふまえて制度の費用対効果を評価し、投入される公的医療費に制度が見合った価値を社会に与えているかどうかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、かかりつけ薬剤師制度の利用により、入院、死亡を中心としたアウトカムが低減するのかをレセプトデータを用いて評価し、その結果をふまえて制度の費用対効果を評価することで、投入される公的医療費に制度が見合った価値を社会に与えているかどうかを明らかにすることである。今年度は、入院や死亡といったアウトカムに対し、制度がどのような影響を有するかについて調査することを計画していたものの、それに先行して、どのような年齢層の集団を想定すべきか、どのような背景を有する患者でその有用性が大きくなりそうかについての検討を詳細に行うこととした。 まず年齢層に関する検討として、18歳以下の未成年を対象とすることの妥当性について評価するために、この年齢層での重複投薬や相互作用の防止、残薬調整がどれくらい行われているかの調査を行った。この検討によって、制度を利用することは未成年患者の重複投薬や相互作用の防止を増加させる可能性が示されたものの、残薬調整については増加が認められなかった。また重複投薬や相互作用の防止も、成人を対象として行われた先行研究に比較すると、その増加の程度は小さかった。したがって、18歳以下の未成年を対象として制度の有用性を評価しても、その有用性を十分に捕捉することは難しいと考えられ、より高齢な年齢層を対象とした検討を進めることの重要性が確認された。 また、重複投薬や相互作用の防止、残薬調整の行われる程度が、どのような成人患者において増加しやすいのかを、機械学習の手法を用いて評価した。ある特徴を有する患者に対する有用性の増加が示唆されたものの、サンプルサイズが限定的なこともあり統計学的には十分な検討に至らなかった。しかしこの検討により、制度の有用性の異質性が示唆されたため、次年度以降の検討においても考慮する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の検討を進めるにあたり、先行して行った方が好ましい事項があったため、その内容を優先した結果やや遅れが生じている。しかし今年度実施予定であった内容について、データ、機材、計画についての準備が整っているため、速やかに開始することができると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究計画について、次年度も継続して速やかに完了させる。
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