研究課題/領域番号 |
23K14406
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
朝田 瑞穂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60961290)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ディープラーニング / ロクロニウム / 筋弛緩深度予測 |
研究開始時の研究の概要 |
精密な操作が要求される手術において、筋弛緩薬による体動の抑制は欠かすことができない前提条件である。適切な筋弛緩薬投与量を定めることは非常に重要であるが、現在臨床において最も頻用される非脱分極性筋弛緩薬であるロクロニウムは作用時間が成人で20-90分と4倍もの個人差があり、信頼に足る個別化投与予測法は存在しない。本研究ではディープラーニ ング法を用いることで、従来の方法では不可能なほど膨大な変動要因を参照し、ロクロニウム投与後の筋弛緩深度の経時的変化を予測しうる患者毎に個別化した投与法を見出す。本研究により ロクロニウムの使用は従来よりも「安全」かつ「有効」に行えると期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究は、筋弛緩薬ロクロニウムの効果指標であるTrain-of-Four CountとPost-Tetanic Countの予測モデルの構築を目的としている。 東京医科歯科大学病院でロクロニウムが投与された外科手術患者 586 名に対し、Train-of-Four CountとPost-Tetanic Countの測定結果、また、筋弛緩作用へ影響を及ぼす可能性のある特徴量として年齢、身長、体重、腎機能、肝機能、術式、既往歴、併用薬情報を収集した。情報収集は電子カルテと麻酔記録を用いて行なった。 薬物動態学/薬力学(PK/PD)モデルは、目的関数をTrain-of-Four CountとPost-Tetanic Countとして、今回収集した電子カルテと麻酔記録の情報と既報のロクロニウムのPKデータ(Ploeger., Anesthesiology. 2009)を用いて構築した。なお、筋弛緩の深度指標であるTrain-of-Four CountとPost-Tetanic Countはカテゴリカルデータとなるため、PK/PDモデルはロジスティック回帰を用いたモデルとした。 本研究によりロクロニウムの効果指標である筋弛緩深度を経時的に予測することが可能となれば、手術中の体位によるセンサー装着部位の肢位の影響、センサーのずれ・外れによるTrain-of-Four CountやPost-Tetanic Countの誤判定時にその値を補完することが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ディープラーニングモデルとPK/PDモデル構築に必要な症例情報の収集、PK/PDモデルの構築を行なった。現在までに目的達成にむけ進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ディープラーニングモデルを構築し、PK/PDモデルとディープラーニングモデルの予測精度をモデル構築とは別の患者群を用いて外部検証する。
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