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mTORシグナル伝達を介した脱髄性疾患への治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K14432
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分48010:解剖学関連
研究機関自治医科大学

研究代表者

山崎 礼二  自治医科大学, 医学部, 講師 (00870718)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワードミエリン / オリゴデンドロサイト / 脱髄 / mTOR
研究開始時の研究の概要

多発性硬化症は中枢ミエリンが脱髄することにより、神経麻痺がみられる難治性疾患である。現在、多発性硬化症の治療には免疫抑制剤が使用されているが、徐々に病態が進行するため、脱髄予防や再ミエリン化を促進させる治療法開発が望まれている。本研究では、新たに同定したmTORシグナルの活性化剤を用いて、脱髄性疾患に対する治療効果を検証するとともに詳細な作用機序の解明を目指す。

研究実績の概要

多発性硬化症は代表的な脱髄性疾患であり、自己免疫などの異常に伴い発症するが、中枢ミエリンが障害されることによって運動麻痺や感覚障害が引き起こされる。しかしながら、現在再ミエリン化を促進させる治療薬は開発されておらず、新たな視点に基づく治療法開発が望まれている。
研究代表者はこれまでに、細胞保護機能を持つアミノ酸の脱髄予防効果を検証する過程で、mTORシグナルが亢進していることを見出した。そこで、本研究では研究代表者が見出したmTORシグナル活性化剤を用いて、脱髄モデルマウスに対する治療効果を検証すると供に、その作用機序を明らかにし、治療法開発へと展開することを目的とする。
まず、生後8週齢のC57/BL6マウスに0.2%クプリゾンとmTORシグナル活性化剤を含有した飼料を5週間経口摂取させることで脱髄モデルマウスを作製し、脱髄病変の組織解析を行なった。その結果、脱髄予防効果があるだけなく、ミエリン形成細胞であるオリゴデンドロサイトを有意に増加させることが明らかになった。また、これらのオリゴデンドロサイトは脱髄に伴い新生してきたものであることがわかった。
さらに、ミトコンドリアのマーカーを用いた組織染色によるシグナルが有意に増加していることから、ミトコンドリア機能の亢進も考えられた。最後にmTORシグナル阻害剤として知られるラパマイシンを投与することで、オリゴデンドロサイトの数が減少し、オリゴデンドロサイトの新生が抑制されている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの解析から、研究代表者が見出したmTORシグナルの活性化剤を脱髄モデルマウスに摂取させることでミエリン形成細胞であるオリゴデンドロサイトを有意に増加させることで、脱髄予防および再ミエリン化を促進させていることが見出された。また、標的部位であるmTORシグナルの阻害剤を用いた実験も順調に進行しているため。

今後の研究の推進方策

治療候補化合物を摂取した脱髄モデルマウスにmTORシグナル阻害剤を投与した際のミエリンの形態を調べ、脱髄予防効果及び再ミエリン化促進効果について詳細に解析する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [国際共同研究] Georgetown University(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] The Mouse Model of Internal Capsule Demyelination: A Novel Tool for Investigating Motor Functional Changes Caused by Demyelination and for Evaluating Drugs That Promote Remyelination2024

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki Reiji、Ohno Nobuhiko
    • 雑誌名

      Acta Histochemica et Cytochemica

      巻: 57 号: 1 ページ: 1-5

    • DOI

      10.1267/ahc.24-00005

    • ISSN
      0044-5991, 1347-5800
    • 年月日
      2024-02-29
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 白質障害領域に沈着する I 型コラーゲンは 再ミエリン化を阻害する2024

    • 著者名/発表者名
      山崎礼二, 東森生, 長内康幸, 幸喜富, 大野伸彦
    • 学会等名
      第8回日本ミエリン研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 白質障害領域に分泌される I 型コラーゲンは白質の再生を阻害する2024

    • 著者名/発表者名
      山崎礼二, 東森生, 長内康幸, 幸喜富, 大野伸彦
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 新たな病変標識法と病態モデルを応用した脱髄研究2023

    • 著者名/発表者名
      山崎礼二, 大野伸彦
    • 学会等名
      第64回日本組織細胞化学会総会・学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The morphological analysis of individual oligodendrocytes in aged mice by serial block face-scanning electron microscopy2023

    • 著者名/発表者名
      Sasikarn Looprasertkul, Reiji Yamazaki, Yasuyuki Osanai, Megumi Yatabe, Kouki Tom, Kimiyo Yagai, Batpurev Battulga, Nobuhiko Ohno
    • 学会等名
      第66回日本顕微鏡学会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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