研究課題/領域番号 |
23K14440
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
今 理紗子 星薬科大学, 薬学部, 講師 (90779943)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | マクロファージ / アクアポリン / 炎症性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、マクロファージにおける水チャネル「アクアポリン9(AQP9)」の機能およびその生理的意義を解析することにより、炎症性疾患に対する新規予防法や治療法を提案することを目的として行うものである。具体的には、AQP9ノックアウトマウスを用いて、マクロファージの機能におけるAQP9の役割を解析するとともに、大腸炎の発症や重症度におけるAQP9の寄与について解析を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、マクロファージにおける水輸送タンパク質アクアポリン(AQP)9の機能およびその生理的意義を解析することにより、炎症性疾患に対する新規予防法や治療法について提案することを目的とした。2023年度は、まず、マクロファージにおけるAQP9の役割とその生理的意義について、マウス腹腔マクロファージを用いたin vitro試験により解析を行った。マウス腹腔マクロファージをlipopolysaccharide(LPS)刺激すると、TNF-αおよびIL-6の発現量がコントロールと比べて有意に増加し、このときAQP9も顕著に増加した。次に、マクロファージの機能におけるAQP9の影響について調べたところ、AQP9欠損マウスにおける腹腔マクロファージの大腸菌の貪食能は、野生型マウスの腹腔マクロファージとほぼ同程度であることがわかった。一方、AQP9欠損マウスの腹腔マクロファージをLPS刺激するとTNF-αおよびIL-6の発現量が増加するものの、この増加の程度は野生型マウスの腹腔マクロファージと比べて有意に低かった。以上の結果から、マウス腹腔マクロファージにおけるAQP9は、炎症性サイトカインの産生を制御する可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、腹腔マクロファージにおけるAQP9の機能とその生理的意義に関する解析を行い、一定の成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、マクロファージに発現するAQP9と炎症性疾患との関わりについて調べる。モデルとしては、抗がん薬による大腸炎やデキストラン硫酸ナトリウムを用いた炎症性腸疾患モデルを作製する予定である。また、マウスとヒトとの種差による生理応答およびマーカー分子の違いを鑑み、ヒト単球THP-1細胞を用いた検討も行う。
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