研究課題/領域番号 |
23K14441
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
平石 敬三 福岡大学, 医学部, 助教 (60896413)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 生理学 / TRPチャネル / 心臓リモデリング / 交感神経系 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓リモデリングは不整脈や心不全を増悪する重要な病態である。しかし線維芽細胞や心筋細胞を中心に生じるそのメカニズムについては不明な点が多く、有効な治療方法は確立されていない。 心臓リモデリングの要因として、交感神経系の過剰な活性化が挙げられる。一方でTRPM7チャネルは、Ca2+やMg2+などの持続流入経路として働き、リモデリングを促進する。両経路は互いに制御しリモデリングを進行させている可能性がある。 そこで本研究では、心臓の線維芽細胞と心筋細胞において、心臓リモデリングを引き起こす交感神経系とTRPM7チャネルを介する経路の両者の関連について評価し、これらを標的とする治療方法の確立をめざす。
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研究実績の概要 |
心臓リモデリングは不整脈や心不全を増悪し、予後の悪化を引き起こす重要な病態である。しかし心筋細胞や心臓線維芽細胞における心疾患の亢進メカニズムについては不明な点が多く、有効な治療方法がいまだ十分に確立されていない。我々は、交感神経系に作用し心臓リモデリングに関与する3’,5’-cyclic adenosine monophosphate (cAMP)を介した関連シグナル伝達と、Transient receptor potential (TRP) チャネル蛋白質スーパーファミリーの一つであり、心疾患等の病態生理に関与するTRPM7チャネルとの関連やその役割について評価し、心不全の新規治療方針を確立することを目的として下記の通り研究を行った。 (1) 出産後3日目の新生児ラットより心室を取り出し、新生児ラット由来心室筋細胞および心臓線維芽細胞の単離を行った。より研究目的に沿った細胞を得るための条件検討を行った。これにより、我々が目的とする実験に十分量使用できる初代細胞を安定して採取する手法を確立した。 (2) 新生児ラット由来心室筋細胞および心臓線維芽細胞に、cAMPを介したシグナル伝達を活性化させる薬剤での刺激を行った。このときのTRPM7チャネルの発現や局在に対する影響を、ウェスタンブロットや蛍光免疫染色、リアルタイムPCRにより評価した。 (3) 成体マウスおよびラットより心筋細胞を単離するためのシステムを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関連するシグナル伝達分子やサイトカインへの影響などの評価のための条件検討に想定したより時間を要しているため、やや研究の進行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当該研究について下記の通り推進していく予定である。 (1) ラットおよびマウス由来の心筋細胞や心臓線維芽細胞において、cAMP関連シグナルの、TRPM7チャネル機能および発現への影響を評価する。 時間を要しているin vitro実験の条件検討については、線維化やアポトーシス関連分子を中心に集中的に進める。 (2) 心筋細胞および心臓線維芽細胞において、TRPM7チャネル過剰発現や発現抑制、阻害剤が、cAMP関連シグナルへ与える影響を評価する。 (3) 心疾患モデル動物を作成し、TRPM7チャネル阻害薬の心疾患発症への影響を評価する。モデル動物の作成や、摘出組織の評価実験のための準備を早期に開始する。
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