研究課題/領域番号 |
23K14444
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
名和田 隆司 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90874917)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 関節リウマチ / リアノジン受容体 / ダントロレン / 小胞体ストレス / 自己免疫疾患 / 免疫調節 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「関節リウマチでは、①免疫細胞のリアノジン受容体の構造不安定化に伴って生じるCa2+漏出により、小胞体内のCa2+濃度が低下することで小胞体ストレスが増加し、関節炎を惹起する。②リアノジン受容体の構造を安定化することにより、小胞体ストレスが減少し、Ca2+漏出が抑制されて小胞体内のCa2+濃度が適正に保持される結果、関節炎が抑制される。」という仮説を動物実験・細胞培養実験で証明する。
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研究実績の概要 |
リアノジン受容体安定化薬であるダントロレンを投与したコラーゲン誘発性関節炎(CIA)マウスを用いての解析の結果、ダントロレンはCIAマウスの2型コラーゲン抗体を低下させる一方で総IgGは低下させないという結果が見出された。この結果からは、ダントロレンは正常な免疫細胞ではなく、異常な免疫細胞に選択的に作用する「免疫調節薬」の候補になることが示唆され、この結果について論文報告(Nawata T, et al. Dantrolene, a ryanodine receptor stabilizer, is a candidate immunomodulator for treating rheumatic disease. Scandinavian Journal of Rheumatology, 2024;53(3):217-219)を行った。この結果は、リアノジン受容体安定薬が関節リウマチをはじめとした自己免疫疾患の新規治療薬となる可能性を強く示唆しており、臨床的にも意義のあるものだと考えられる。 さらに、ダントロレンがどのような機序で免疫細胞に作用しているかを解明するための実験を、リアノジン受容体関連の遺伝子改変を行ったマウスを用いて行い、少しずつであるがその機序が明らかになりつつある。本成果については、近日中に国内・国際学会での発表や国際誌への投稿を予定している。 また、関節リウマチモデルマウス(CIAマウス)で得られた知見が、他の自己免疫疾患モデルマウスでも同様に再現できるかの検討を同時並行で行う予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ダントロレンが免疫調節薬の候補となるという研究成果については、既に論文報告(Nawata T, et al. Dantrolene, a ryanodine receptor stabilizer, is a candidate immunomodulator for treating rheumatic disease. Scandinavian Journal of Rheumatology,2024;53(3):217-219)を行っている。 現在進行中のダントロレンがどのような機序で免疫細胞に作用しているかの解明についても、研究成果が出てきており、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
リアノジン受容体関連の遺伝子改変を行ったマウスを用いて、ダントロレンの免疫細胞への作用のメカニズムの解明を行っていく。 また,関節リウマチモデルマウス(CIAマウス)で得られた知見が、他の自己免疫疾患モデルマウスでも再現できるかの検討も同時並行で行い、関節リウマチを始めとした自己免疫疾患へのリアノジン受容体安定療法の臨床応用を目指していく。
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