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網羅的定量解析による性差を切り口とした敗血症重症化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K14446
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分48030:薬理学関連
研究機関静岡県立大学

研究代表者

清水 聡史  静岡県立大学, 薬学部, 助教 (90969437)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード敗血症 / 性差 / 敗血症性多臓器不全 / オミクス解析 / 膜タンパク質
研究開始時の研究の概要

敗血症の重症度や死亡率には性差があるため、敗血症時に性差が生じている部分が重症化に関わっていると考えられるが、いまだに詳細は解明されていない。敗血症などの炎症反応にはToll様受容体(TLR)などの炎症関連受容体、重症化に関わる腎臓障害や循環不全には膜輸送体などの関与が知られ、敗血症の性差形成には膜タンパク質の関与が示唆される。そこで本研究は心臓・腎臓に焦点を当て、敗血症モデルマウスにおける生理機能の性差解析、敗血症病態の膜タンパク質ネットワークの網羅的性差解析、遺伝子改変マウス・細胞系における重症化機構の探索、を行うことにより性差を足がかりとした重症化メカニズムの解明を行う。

研究実績の概要

本年度は敗血症モデルマウスの作成・サンプルの作成を中心に進めた。
腸内細菌叢には性差があることが知られており、その違いが重症度の性差につながる可能性があるため、条件を統一するために糞便懸濁液腹腔内投与法を試すこととした。同一ロットの懸濁液を使うことで安定した重症度を示す敗血症モデルマウスを作成する条件を決定した。
次に糞便懸濁液腹腔内投与法にてFCGマウスを敗血症を惹起させ、心臓・腎臓の採取を行なった。現在のところ、腎臓のサンプルは全て採取完了し、心臓を現在進めている。
採取した腎臓サンプルからRNAの抽出・精製を行い、マイクロアレイ測定を行なった。Transcriptome Analysis Consoleを用い解析を行い、RNA転写量の定量化を行なった。このデータを用い、主成分解析を行なったところ、性染色体・性腺の違いにより群分けされていた。また、正常な腎臓のマイクロアレイ解析と比較したところ、敗血症群・正常群で2群に別れていることも明らかになった。その後、バイオインフォマティクス解析を行ったところ、性差遺伝子・性差のあるパスウェイを明らかとなった。この中には敗血症の重症化に関与が知られている分子群も含まれていた。
腎臓のプロテオミクス解析に向け、腎臓近位尿細管刷子縁膜小胞の精製方法について検討を行った。凍結した腎臓をホモジナイズした後、遠心法にて膜タンパク質画分を取得し、カルシウムイオンを用いて腎臓近位尿細管刷子縁膜を小胞として沈殿させることにより、サンプル精製を行うことができ、プロテオミクスを行う準備が整った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は敗血症モデルマウスの条件を決定し、安定して作成することができた。また、今後の実験を考慮して一度に多くの糞便懸濁液を作ることができたため、同じ条件で今後も敗血症を惹起することが可能になった。FCGマウスの心臓・腎臓サンプルの収集も順調に進んでおり、腎臓は予定サンプル数、心臓はサンプルを採取するための交配も順調に進んでおり、すぐにサンプルの回収が完了すると考えられる。さらに、腎臓ではマイクロアレイ解析が完了し、プロテオミクス解析のための実験手法の確立も完了したため、現在ボトルネックとなるような問題は発生していない。

今後の研究の推進方策

来年度は心臓サンプルの採取を継続するとともに、腎臓のプロテオミクス・心臓のマイクロアレイ・プロテオミクスを進めていき、データが揃うごとにバイオインフォマティクス解析を進めていき、敗血症重症化に係わる重要な経路を明らかにする。また、昨年度予算が余ったことや、RNA-seq解析を外注せずに自身で行えるようになったことから、心臓のマイクロアレイ解析をRNA-seqに変更し、より多くのデータを取得することも考慮に入れる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (15件)

  • [雑誌論文] 薬物動態と薬力学における性差2023

    • 著者名/発表者名
      清水 聡史、児玉 昌美、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 雑誌名

      日本臨床

      巻: 81 ページ: 961-966

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 薬物動態に関わる腎機能の詳細な性差形成メカニズムの解明2024

    • 著者名/発表者名
      清水聡史、Pornparn Kongpracha、杉本早穗、水野葵、宮坂政紀、Pattama Wiriyasermkul、坂本多穗、児玉昌美、中井雄治、永森收志、黒川洵子
    • 学会等名
      第33回日本循環薬理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症による心臓電気活動の異常に対するIKsチャネルの役割2024

    • 著者名/発表者名
      金原和希、野間口財、服部希海、児玉昌美,、渡邊泰秀、清水聡史,、永森收志、坂本多穗、黒川洵子
    • 学会等名
      日本薬学会第144回年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症による心臓電気活動の異常に対するIKsチャネルの役割2023

    • 著者名/発表者名
      服部 希海、野間口 財、児玉 昌美、渡邊 泰秀、清水 聡史、永森 收志、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 学会等名
      第17回トランスポーター研究会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症による心臓電気活動の異常に対するIKsチャネルの役割2023

    • 著者名/発表者名
      服部 希海、野間口 財、児玉 昌美、渡邊 泰秀、清水 聡史、永森 收志、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 学会等名
      第148回日本薬理学会関東部会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] マウスにおける敗血症不整脈の解析と性差の検討2023

    • 著者名/発表者名
      安藤 侑馬、岩鶴 果奈、清水 聡史、児玉 昌美、黒川 洵子、坂本 多穗
    • 学会等名
      第148回日本薬理学会関東部会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 腎臓における性腺由来・性染色体 由来を区別した遺伝子発現性差の網羅的解析2023

    • 著者名/発表者名
      岸本隼弥、杉本早穂、水野葵、清水聡史、Pornparn Kongpracha、宮坂 政紀、Pattama Wiriyasermkul、坂本多穗、中井雄治、永森收志、黒川洵子
    • 学会等名
      第148回日本薬理学会関東部会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 薬物腎排泄における性差の分子基盤2023

    • 著者名/発表者名
      坂本多穗、清水聡史、児玉昌美、黒川洵子
    • 学会等名
      第50回日本毒性学会学術年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 性転換マウスを用いた腎臓の網羅的性差解析2023

    • 著者名/発表者名
      水野葵、清水聡史、Pornparn Kongpracha、杉本早穗、宮坂政紀、Pattama Wiriyasermkul、坂本多穗、中井雄治、永森收志、黒川洵子
    • 学会等名
      第69回日本薬学会東海支部大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症による心臓電気活動の異常に対するIKsチャネルの役割2023

    • 著者名/発表者名
      服部 希海、野間口 財、児玉 昌美、渡邊 泰秀、永森 收志、清水 聡史、三宝 誠、平林 真澄、西村 明幸、西田 基宏、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 学会等名
      第22回次世代を担う若手のためのファーマ・バイオフォーラム2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症による心臓電気活動の異常に対するIKsチャネルの役割2023

    • 著者名/発表者名
      野間口 財、服部 希海、児玉 昌美、渡邊 泰秀、永森 收志、清水 聡史、三宝 誠、平林 真澄、西村 明幸、西田 基宏、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 学会等名
      東海地区薬学系電気生理学研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 腎臓膜輸送体の性染色体・性ホルモンの影響を区別 した網羅的性差解析2023

    • 著者名/発表者名
      清水聡史、Pornparn Kongpracha、水野葵、宮坂政紀、Pattama Wiriyasermkul、児玉昌美、坂本多穗、中井雄治、永森收志、黒川洵子
    • 学会等名
      生理研研究会「炎症・免疫系と心血管系の相互作用から切り拓く循環生理機能の解析」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 骨格筋自然免疫応答に着目した敗血症性差発現因子の探索2023

    • 著者名/発表者名
      坂本 多穗,清水 聡史,竹下 舜也, 山下ほのか,岩鶴 果奈, 児玉 昌美, 黒川 洵子
    • 学会等名
      生理研研究会「炎症・免疫系と心血管系の相互作用から切り拓く循環生理機能の解析」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症性心臓電気障害に対するIKsチャネルの役割2023

    • 著者名/発表者名
      野間口 財、服部 希海、児玉 昌美、渡邊 泰秀、永森 收志、清水 聡史、三宝 誠、平林 真澄、西村 明幸、西田 基宏、坂本 多穗、黒川 洵子
    • 学会等名
      生理研研究会「炎症・免疫系と心血管系の相互作用から切り拓く循環生理機能の解析」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症骨格筋障害解析を通した全身性炎症性差の解明2023

    • 著者名/発表者名
      坂本 多穗、清水 聡史、児玉 昌美、黒川 洵子
    • 学会等名
      第97回日本薬理学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 敗血症による多臓器障害とその治療戦略に向けた取り組み2023

    • 著者名/発表者名
      黒川 洵子、清水 聡史、児玉 昌美、坂本 多穗
    • 学会等名
      第97回日本薬理学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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