研究課題/領域番号 |
23K14454
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
衛藤 貫 熊本大学, 発生医学研究所, 特任助教 (50867207)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 細胞老化 / エピゲノム / 細胞内代謝 / 分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
老化細胞は、炎症誘導性サイトカインを産生・分泌する現象(SASP)を介して、周囲の細胞老化を促進する。SASPを引き起こす分子機序の1つとして、ミトコンドリアの必要性が報告されているが、老化細胞において特異的に活性化される代謝経路やその経路のSASP制御における必要性は十分に明らかでない。そこで、申請者は、細胞老化に伴い変化する細胞内代謝とその代謝変化と相互作用するエピゲノムを切り口に、SASPの制御メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、細胞老化に伴い変化する細胞内代謝とその代謝変化と相互作用するエピゲノムを切り口に、SASPの制御メカニズムの解明を目指す。今年度は、ミトコンドリア由来のクエン酸からアセチルCoAを産生する経路を阻害した際の老化細胞への影響を検証した。その結果として、老化細胞においてアセチルCoAの産生経路はSASPの制御に必須であることを明らかにした。産生されたアセチルCoAはH3K27のアセチル化のソースとして利用され、H3K27AcへのBRD4のリクルートによりSASP遺伝子の発現が活性化されることを見出した。 これまでの予備実験により、ミトコンドリアによる代謝制御が老化細胞のSASP制御に必須であることを見出していたが、SASPを制御する具体的な経路や代謝物は明らかでなかった。今年度の研究により、ミトコンドリアの代謝経路の中でもクエン酸を産生し、ミトコンドリア外へ輸送、細胞質でアセチルCoAに変換する経路が必須であることを明らかにした。さらに、エンハンサー形成における必要性を明らかにすることに成功した。 これまでの研究により、細胞レベルにおけるアセチルCoA産生の重要性は検証することができたが、in vivoにおける重要性はいまだに明らかでない。そこで次年度は、マウスにおいてクエン酸からアセチルCoAを産生する経路を阻害する薬剤を投与した際の加齢性疾患への影響を検討する。特に、加齢とともに組織の線維化が報告されている肝臓や腎臓を重点的に解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの予備実験により、ミトコンドリアによる代謝制御が老化細胞のSASP制御に必須であることを見出していたが、SASPを制御する具体的な経路や代謝物は明らかでなかった。今年度の研究により、ミトコンドリアの代謝経路の中でもクエン酸を産生し、ミトコンドリア外へ輸送、細胞質でアセチルCoAに変換する経路が必須であることを明らかにした。さらに、エンハンサー形成における必要性を明らかにすることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により、細胞レベルにおけるアセチルCoA産生の重要性は検証することができたが、in vivoにおける重要性はいまだに明らかでない。そこで、マウスにおいてクエン酸からアセチルCoAを産生する経路を阻害する薬剤を投与した際の加齢性疾患への影響を検討する。特に、加齢とともに組織の線維化が報告されている肝臓や腎臓を重点的に解析する。
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