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肉腫における鎌状血管形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K14496
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分49020:人体病理学関連
研究機関地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所)

研究代表者

鷲見 公太  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 病理診断科, 医長 (30716733)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード未分化肉腫 / 血行性転移 / RNAシークエンシング / 鎌状血管 / 肉腫 / 病理 / 遠隔転移
研究開始時の研究の概要

我々は、高悪性度軟部腫瘍の一つである未分化肉腫(Undifferentiated sarcoma:US)について研究を行い、USで組織学的な評価を行い、新たに定義づけを行なった特異な形態を示す鎌状血管の増生が血行性遠隔転移および全生存期間と関連性があることを見出した。組織ブロックを用いて、鎌状血管の形成に関わるタンパク発現や遺伝子変異解析を行い、鎌状血管の形成機序の解明を試みる。本研究を通じて得られる成果はUSのみならず高悪性度肉腫の血行性転移に関連する因子の一端の解明を目指し、遠隔転移に関する新たな組織所見の確立及びその病態解明に貢献することが期待できる。

研究実績の概要

未分化肉腫を主体とした高悪性度軟部肉腫症例の組織所見を再評価し、腫瘍内に増殖している血管形態を評価し、鎌状血管の目立つ症例の中で、鎌状血管増生が目立つパラフィン包埋ブロックを抽出した。また、鎌状血管増生が目立たない高悪性度軟部肉腫症例の中で、鎌状血管増生が目立たないパラフィン包埋ブロックも抽出した。それぞれの組織ブロックを用いて、RNAシークエンシングにより遺伝子発現解析を行なった。また、鎌状血管増生が目立つ代表切片、領域を厳選して空間的遺伝子解析を行なっている。
鎌状血管が増えているブロックと増えていないブロックで得られた遺伝子解析結果から、遺伝子発現を比較することで、高悪性度軟部肉腫内で鎌状血管形成に関わる遺伝子の同定を試みる。また、鎌状血管形成領域の空間的遺伝子解析を行うことで、血管近傍の腫瘍細胞と血管から離れた位置にある腫瘍細胞の遺伝子発現を比較することで鎌状血管形成の機序の解明を試みる。
現在、希少がんである悪性軟部肉腫は、化学療法の選択肢が他の癌種と比較して圧倒的に少なく、予後不良とされている。今までの研究から、血行性遠隔転移が肉腫症例の最も重要な予後不良因子の一つであることが分かっており、さらに鎌状血管増生が目立つ肉腫では血行性転移をする症例の割合が高い傾向が示されている。鎌状血管増生に関与する遺伝子変異を解析し、血管形成機序を解明することで、高悪性度軟部肉腫の血行性転移に関わる病態の一端を解明する手掛かりになる可能性があると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高悪性度軟部肉腫の組織標本を検索、再評価し、鎌状血管が目立つ高悪性度軟部肉腫症例と目立たない軟部肉腫症例の組織ブロックの抽出を行い、それぞれの組織ブロックを用いてRNAシークエンシング解析を行なった。また、鎌状血管増生が目立つ領域で、少ない症例数であるものの空間的な遺伝子解析を試みている。

今後の研究の推進方策

前年度に遺伝子解析された結果を、鎌状血管の目立つブロックと目立たないブロックで比較検討し、鎌状血管形成に関与している遺伝子変異を絞り込んでいく予定である。また、空間的遺伝子解析結果を用いて、組織ブロックで行なったRNAシークエンシングの遺伝子解析結果から、鎌状血管形成に関与している可能性が示唆された遺伝子変異が実際に鎌状血管周囲の細胞でみられるのかを立証する予定である。
上記解析により鎌状血管形成に関与している可能性がある遺伝子変異が絞れた際には、症例数を増やして解析を行い、鎌状血管形成機序の解明を試みる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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