研究課題/領域番号 |
23K14501
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
宮原 大貴 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 助教(特定雇用) (90823287)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アミロイドーシス / 老化 / マウス / アミロイド好発土壌 / レーザーダイセクション |
研究開始時の研究の概要 |
若い時期には正常に機能する蛋白質が、歳をとることで不溶性の沈着物(アミロイド)を形成する老人性アミロイドーシスの発症プロセスはよく分かっていない。本研究では、「老化個体の生体環境がアミロイド形成に適した土壌(アミロイド好発土壌)を構築してしまう」という着想のもと、アミロイドーシスの発症メカニズムの解明に取り組む。具体的な研究項目として、個体老化を発症基盤とする全身性アミロイドーシスマウスで、アミロイド好発部位でアミロイドが沈着するより以前に生じる老化形質を同定する。この結果からアミロイド好発土壌の構成因子を見出し、好発土壌の改善に基づく治療戦略の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
マウス老化アミロイドーシスは血清高密度リポ蛋白質のアポリポ蛋白質A-IIのアミロイド(AApoAII)が、加齢に伴って脳実質を除く全身臓器に沈着する高齢マウスの共通疾患である。発症個体から抽出したアミロイドの投与によるAApoAIIアミロイドーシス病態を誘発モデルで、アミロイドが最初に沈着する小腸絨毛の微小領域に着目してプロテオーム解析を実施した。沈着1週間前の個体ではアポリポ蛋白質Eやクラステリンが特異的に同定されアミロイド好発土壌の形成に関与する可能性が示唆された。野生型の高齢マウスの解析からは、Milk Fat Globule-EGF factor 8(MFG-E8)が腎臓や肺で上昇していることを見出した。MFG-E8は近年、ヒトとマウスで共通する加齢性アミロイド(Medin)の病因蛋白質であることや脳のアミロイドβの凝集に関係することが報告されている。今後、MFG-E8の老化形質との関連や凝集特性の検討を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定にあった誘発個体と高齢個体の両方で解析を行うことができた。高齢個体は個体差が大きいことがあるため、複数の飼育施設からサンプルを集めながら解析を行う。
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今後の研究の推進方策 |
ヒトとマウスで共通する加齢性アミロイドのmedinに着目して、加齢に伴って発現が増加するメカニズムの解析や老化形質との関連の解析を進める。また、medinは血管平滑筋に沈着するアミロイドであるため、加齢にともなう臓器内の微小血管への沈着を検討し、血管老化メカニズムについて検討を行う予定である。
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