研究課題/領域番号 |
23K14549
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
吉川 紋佳 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (20850069)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 間質性肺炎 / JAK阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ(RA)の関節破壊は発症1-2年で急速に進行するため、早期診断・治療が重要である。RA治療の第一選択薬はメトトレキサート(MTX)であるが、間質性肺炎(ILD)などの既存肺病変を合併する場合はMTX肺炎のリスク因子となるため、RA-ILD患者に使用し難く早期の寛解導入の妨げとなっている。本研究はRA-ILD症例に対し、RAにおける有効性がMTXに劣らないJAK阻害剤で治療を開始し、その後のRA疾患活動性やILDへの効果を検討する。より多くのRA-ILD症例を早期に寛解導入・維持することで不可逆的な身体機能障害に伴う社会的損失や経済的問題の解決につながることが期待出来る。
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研究実績の概要 |
本研究の前段階として、間質性肺炎合併関節リウマチ(RA-ILD)症例における生物学的製剤・JAK阻害剤治療の現状を関西他施設共同研究であるANSWERコホートデータを用いて解析し、2024年度の日本リウマチ学会で発表を行った。12種類のbDMARDs、5剤のJAK阻害剤が使用出来る現在においても、RA-ILD症例の24週後寛解達成率は0週時点で疾患活動性が低かったとしても、ILD非合併例と比較しDAS28-CRP・ESR、SDAI、CDAIどの評価項目においても低かった。 またRA-ILD症例において、24週時点でのbDMARDs使用群のDAS28寛解達成率は58.2%、JAK阻害剤使用群は84.2%であり、今後も安全性の配慮した投薬は必要であるが、JAK阻害剤使用でより早期の寛解達成を期待できる可能性があることが分かった。 本研究は、csDMARDsで治療するも効果不十分なRA-ILD症例に対し、bDMARDsではなくJAK阻害剤をfirstで導入する研究であるが、現時点で3例にJAK阻害剤を導入し、全例ILDを悪化させることなく3か月以内にエコー寛解を達成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
関節リウマチ診療ガイドライン2020、2024改訂において、csDMARDsを使用するも効果不十分例に対する追加治療はこれまでのデータ蓄積量、経済的な面などを考慮するとまだまだJAK阻害剤より生物学的製剤を先に導入することが実臨床において多いのが現状である。本研究はbDMARDsよりも先にJAK阻害剤を導入するという研究であるため、bDMARDsを導入するよりもJAK阻害剤を使用するメリットが高い症例が対象となるため、組み入れ症例が少ない状態である。
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今後の研究の推進方策 |
JAK阻害剤を導入出来た症例の経過は非常に良好であるため、安全にJAK阻害剤が導入出来ると判断した場合は本研究に参加頂けるよう説明を行う方針である。研究参加人数が予定通り達すれば、血清保存は行っているため臨床データの解析だけでなくサイトカインプロファイルの解析も同時並行で行う。
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