研究課題
若手研究
大腸癌において、「リンパ節腫大= 転移」という概念は一般的である。しかし、術前CT検査で間膜リンパ節 腫大が明らかにもかかわらず、病理結果で転移陰性ということをしばしば経験す る。この現象を「転移陰性リンパ節腫大=免疫反応」(immunogenic swelling、以下IS)として検証すると、病理学的にリンパ節転移陰性が確認されたpStageII大腸癌において、ISを認めた症例で有意に予後良好であった。大腸癌全体の5%にあたるMSI-high大腸癌が予後良好であることからも、ISを認めるMSS大腸癌は免疫原性が高く、MSI-high大腸癌に近い免疫学的背景を有する可能性を秘めている。