研究課題/領域番号 |
23K14561
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小倉 淳司 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (20867262)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 直腸癌 / 免疫微小環境 / CD8 / PD-L1 / 腫瘍免疫 / 大腸癌 / リンパ節腫大 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌において、「リンパ節腫大= 転移」という概念は一般的である。しかし、術前CT検査で間膜リンパ節 腫大が明らかにもかかわらず、病理結果で転移陰性ということをしばしば経験す る。この現象を「転移陰性リンパ節腫大=免疫反応」(immunogenic swelling、以下IS)として検証すると、病理学的にリンパ節転移陰性が確認されたpStageII大腸癌において、ISを認めた症例で有意に予後良好であった。大腸癌全体の5%にあたるMSI-high大腸癌が予後良好であることからも、ISを認めるMSS大腸癌は免疫原性が高く、MSI-high大腸癌に近い免疫学的背景を有する可能性を秘めている。
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研究実績の概要 |
大腸癌において、「リンパ節腫大=転移」(metastatic swelling)という概念は一般的である。一方で、術前CT検査で間膜リンパ節腫大が明らかにもかかわらず、病理結果でリンパ節転移陰性ということをしばしば経験し、特に右側結腸癌で多く経験し、回結腸動静脈に沿ったリンパ節で好発する。本研究では「転移陰性リンパ節腫大=免疫反応」(immunogenic swelling、以下IS)と仮定し、2012年1月から2018年12月の間で、当科で根治切除術を施行したpStageII右側結腸癌56例をpilot的に検討した。既報からリンパ節短径5mmをカットオフとして、5mm以上のリンパ節を3個以上有する症例をIS陽性と定義すると、IS陽性群とIS陰性群では有意にIS陽性群で予後(OS、RFS)が良好であった。さらに、原発巣とリンパ節に分けて免疫染色(CD8、FOXP3、PD-1、PD -L1)を施行すると、原発巣では有意差を認めなかったが、腫大リンパ節において、CD8とPD-L1がHot群において有意差を持って高発現していた。本結果から、転移陰性腫大リンパ節内では、細胞傷害性Tリンパ球が増殖し活性化していることが示唆され、リンパ節における免疫細胞による転移ブロック機構が予後の改善に寄与する可能性が示唆される結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り免疫染色が施行して結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は得られた免疫染色の結果から、論文化を開始している。 さらに二重染色を行い、CD8陽性Tリンパ球におけるPD-L1の発現の有無の確認、そのほかの抗原提示細胞の発現とPD-L1の発現の確認を予定している。また1、2、3群で腫瘍免疫環境が異なるかどうかを検証する予定である。
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