研究課題/領域番号 |
23K14571
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
後藤 理沙 熊本大学, 病院, 特任助教 (20898390)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | breast cancer / neoadjuvant therapy / endocrine therapy / prognostic prediction / 乳癌 / 術前内分泌療法 / 予後予測因子 / 治療効果予測因子 / 内分泌感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は先行研究において、術前内分泌療法の効果予測因子同定の遺伝子発現解析を行い、腫瘍縮小と関連のある5遺伝子(ADCK2, CUL2, FAM13A, KRAS, LILRA2)を同定した。KRAS以外の遺伝子は、これまで乳癌との関連性を示した報告が乏しく新規性の高い遺伝子である。 今回の研究は、短期的な内分泌感受性(腫瘍縮小効果)を予測する因子が長期予後の予測因子となりうるか、これらの遺伝子が細胞レベルで内分泌療法感受性に関与するかどうか、関与している場合はその機序を明らかにすることである。この研究を通じて乳癌内分泌療法の理解が深まり、新規治療法の開発につながる可能性がある。
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研究実績の概要 |
現在、日本人女性の悪性腫瘍の中で最も罹患率が高いのが乳癌である。そしてその乳癌のうち70%をホルモン受容体陽性乳癌が占めており、このサブタイプの乳癌に対しては術前内分泌療法を施行することで腫瘍縮小をはかり、乳房温存率を改善することができると知られている。術前内分泌療法の既知の効果予測因子はエストロゲンレセプターのみであり、より正確な効果予測に基づく術前内分泌療法の選択が解決すべき課題の一つであった。当科での先行研究において、術前内分泌療法の効果予測因子として治療前腫瘍組織における5つの遺伝子(ADCK2, CUL2, FAM13A, KRAS, LILRA2)の発現と腫瘍縮小効果の関係性が示唆された。この遺伝子群は、KRASを除き、これまで乳癌組織における発現との関係性を示した報告がほとんど認められず、非常に新規性の高い遺伝子であると考えられる。本研究では、別コホートを対象として、術後補助内分泌療法を施行した症例の治療前検体を用いてこの5つの遺伝子の発現について評価を行い、術前内分泌療法の治療効果と長期予後との相関について検討することを目的としている。これまでの研究にて上記遺伝子の発現レベルと予後(無再発期間、全生存期間、乳癌特異的生存期間)の比較を行い、術後内分泌療法の予後因子を同定を行っている。また、同定された予後因子とPEPIscoreとの予後予測能を比較し、同定された予後因子がPEPIscoreと独立したものか、あるいはPEPIscoreの予後予測を補完するものかどうかについても検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象サンプルの決定やデータ収集は概ね終了しており、遺伝子解析等の研究を引き続き継続していく予定です。概ね計画時の予定どおり進行しております。
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今後の研究の推進方策 |
対象サンプルや実験方法については決定しているため、引き続き遺伝子解析をすすめ、全体的なデータ解析にうつる予定です。
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