研究課題/領域番号 |
23K14609
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) |
研究代表者 |
川瀬 航 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所がん治療学部, 研究員 (70966605)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肉腫 / 脱分化型脂肪肉腫 / クロマチン高次構造変化 / クロマチン高次構造 |
研究開始時の研究の概要 |
脱分化型脂肪肉腫は悪性度が高く、高頻度に転移が生じる軟部肉腫の一種で極めて予後不良である。選択可能な分子標的薬が少ないため、新規治療薬の開発が求められている。最近、細胞種特異的な遺伝子発現制御に重要であるクロマチン高次構造の変化が癌など疾患の原因遺伝子の発現を誘導することで疾患の発症に関与することが明らかとなりつつあり、治療標的の探索につながることが期待されている。本研究では、脱分化型脂肪肉腫の臨床検体およびPDXモデルで染色体立体配座捕捉法を行い、脱分化型脂肪肉腫におけるクロマチン高次構造変化とがん関連遺伝子の発現を制御する転写因子を解明し、新規創薬標的や診断マーカーの探索を目指す。
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研究実績の概要 |
脱分化型脂肪肉腫は高頻度に転移を生じる軟部肉腫の一種で悪性度が高い。希少がんであるため研究・開発が進んでおらず、選択可能な分子標的薬が少ない。近年、クロマチン高次構造の変化ががんの発症や転移に関与することが明らかになりつつあり、治療標的の探索につながると期待されている。本研究では、脱分化型脂肪肉腫に特異的なクロマチン高次構造変化に伴うがん関連遺伝子発現を制御する転写因子を同定し、新規創薬標的や診断マーカーの開発を目指す。脱分化型脂肪肉腫は希少がんであるため、新鮮な臨床検体を入手できる機会が少ない。凍結保存された臨床検体は比較的入手しやすいため、2023年度は凍結保存されたサンプルを用いた染色体立体配座捕捉法などの実験系の確立を目指した。凍結保存検体を事前に処理することで、染色体立体配座捕捉法などの様々なエピゲノム解析ライブラリーを作製する方法を確立した。凍結保存検体を用いることができるため、今後のデータ取得が促進できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は新鮮な臨床検体を用いて様々なエピジェネティック解析を進める計画であったが、対象となる脱分化型脂肪肉腫は希少がんであるため、入手頻度が非常に少ない。凍結保存された臨床検体は比較的入手しやすいため、凍結保存検体も用いるように計画を変更した。凍結保存検体を用いての染色体立体配座捕捉法などの実験系が確立できていなかったため、初年度は実験系の確立を実施した。凍結保存検体を事前に処理することで、染色体立体配座捕捉法などの様々なエピゲノム解析ライブラリーを作製する方法を確立することができた。そのため、凍結保存検体を用いることができるため、今後のデータ取得が促進されると期待される。
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今後の研究の推進方策 |
凍結保存検体を用いてエピゲノム解析ライブラリーを作製し、データの取得を進める。得られたデータを様々なツールを用いて解析し、脱分化型脂肪肉腫に特異的なクロマチン高次構造を含むエピジェネティックな変化を明らかにする。特異的なクロマチン高次構造変化において誘導されるがん関連遺伝子を制御する転写因子を同定し、臨床情報との関連を調べることで、治療標的や診断マーカーとなりえるのかを評価する。
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