研究課題/領域番号 |
23K14612
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾関 温子 東京大学, アイソトープ総合センター, 技術職員 (30780598)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | radio-theranostics / PET / VHH / Radio-theranostics / PETイメージング / DDS |
研究開始時の研究の概要 |
VHH(Variable domain of Heavy chain of Heavy chain antibody)抗体は、温度やpHに対する安定性が高く、大腸菌で大量生産できるなどの利点をもつ。このVHH抗体に修飾や多量体化などの改変を加えることで腫瘍組織への特異性の高いドラッグデリバリーシステム(DDS)を実現する。このDDSシステムを利用し、Her2陽性乳がんなどを標的とした、診断と治療を一体的に行うradio-theranosticsプローブの開発研究を行う
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研究実績の概要 |
本研究では、抗体工学の容易さや生産の面などに多くの利点をもつVHH(Variable domain of Heavy chain of Heavy chain antibody)特殊抗体を用い、がんの診断と治療を一体的に行うradio-theranosticsプローブの開発を目的としている。 研究の初年度となる2023年度には、まずHer2陽性乳がんをターゲットとしたVHH抗体を作成してRIで標識する段階までの条件検討を行うこと、順調に進んだ場合は担癌マウスでのPET試験を行うことを目標としていた。目標通りにモデル動物での第一段階の評価を行うことができたため、”おおむね順調に進展”としている。 目的配列をもつDNAを合成し大腸菌内で増幅してタンパク質精製を行ったが、一部の配列が原因となって適切な立体構造をとれていないことが判明した。そこで、一部配列に変異を導入してタグをつけ、タンパク質精製の条件検討を繰り返し行った。また、PET診断用RIで標識し、その効率を確認したプローブについて、担癌マウスに投与してPET撮像を行った。投与直後から24時間後までのPET撮影と24時間後のbiodistributionの結果、腫瘍への集積は見られるが十分に高いとは言えず、腎臓への集積が非常に多いことが明らかとなった。2024年度は、腎集積を低減させ、腫瘍への特異性を向上させる方策について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Her2陽性乳がんをターゲットとしたVHH抗体を作成してRIで標識する段階までの条件検討を行うこと、順調に進んだ場合は担癌マウスでのPET試験を行うことを目標としていたが、目標通りにモデル動物での第一段階の評価を行うことができたため、”おおむね順調に進展”としている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、作成したプローブについて腎集積を低減させ、腫瘍への特異性を向上させる方策について検討する。また、VHH抗体に限らず、他のDDSシステムについても同時に検討を進めたいと考えている。
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