研究課題/領域番号 |
23K14633
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
柴田 健雄 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20609979)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Human papillomavirus / CIN / 子宮頸部擦過検体 / HPV特異的T細胞 / T細胞療法 / HPV |
研究開始時の研究の概要 |
HPV感染が原因の子宮頸癌の再発・進行癌は難治性で、新規治療が必要でありT細胞を利用する免疫治療はその一つである。HPV特異的T細胞が同定できれば、T細胞療法のHPV関連癌への臨床応用が可能である。抗原特異的T細胞を回収するため、従来は血液や腫瘍切除検体が使用されてきた。しかし、血液中のHPV特異的T細胞の数は極めて少なく、患者への侵襲が問題であった。本研究では、子宮頸部擦過検体から低侵襲にHPV特異的T細胞の回収に取り組む。本研究は、HPV関連癌の新規免疫療法につながるため波及効果が期待でき、患者や家族にとって福音となり、HPV関連癌治療のブレイクスルーをもたらす。
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研究実績の概要 |
Human papillomavirus (HPV) 感染は、癌の5%の原因である。HPV関連癌の一つである子宮頸癌は、初期であれば既存治療で治癒が可能であるが、 再発・進行癌は極めて難治性で新規治療開発が望まれている。HPV E6タンパクは、オンコプロテインであると同時に、外来抗原で免疫療法の理想的標的であり、HPV関連癌に対するT細胞を利用した免疫療法は期待されている。HPV特異的T細胞はHLAの多様性や200種類を超えるHPV型の存在から複数存在すると考えるのが自然である。高親和性HPV抗原特異的T細胞を検出できればキメラ抗原受容体 (Chimeric Antigen Receptor: CAR) T 細胞療法や二重特異性T細胞誘導 (Bispecific T cell engaging: BiTE) 抗体などのT細胞療法の臨床応用につながる。堅牢なHPV特異的T細胞の網羅的な同定方法の確立が必要であり、研究に着手した。抗原特異的T細胞を回収するための検体として、従来は血液や腫瘍切除検体が使用されてきた。しかし、血液中のHPV特異的T細胞の数は極めて少なく、アフェレーシスを含む多量の血液採取や手術が必要で患者への侵襲が問題であった。子宮頸部擦過検体は低侵襲に採取可能である。本研究では末梢血からではなく子宮頸部擦過検体からリンパ球を回収する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CIN患者の子宮頸部擦過検体からフローサイトメトリー法を用いてT細胞分離を行なった。T細胞レパトア解析を施行中である。
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今後の研究の推進方策 |
T細胞レパトア解析後にシングルセルシーケンスを行う予定で、CIN患者の子宮頸部局所の免疫環境を包括的に観察し、HPV特異抗原の同定に向けて研究を継続する。試薬等の準備は終了している。
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