研究課題/領域番号 |
23K14638
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
重藤 元 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60805662)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | がん / 遺伝子変異 / イメージング / 術中診断 |
研究開始時の研究の概要 |
癌治療は外科的な手術と抗癌剤の組み合わせにより癌細胞の除去を行うが、治療中に抗癌剤に対する耐性を獲得した細胞が出現することが問題となる。こうしたキーとなる遺伝子変異はがん種毎に異なることから、それぞれに最適化された検出法が必要となる。一方で手術中に抗がん剤耐性細胞を検出し、確実に切除することができれば治療の予後は大きく向上すると考えられる。しかしそのような迅速かつ簡便な検出法は存在しない。そこで本研究は人工核酸プローブを用い、細胞が生きたまま細胞に添加するだけで組織内の標的遺伝子変異細胞を簡便かつ迅速検出するシステムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究課題はがん細胞の発生や抗がん剤耐性に関わる遺伝子変異を獲得した細胞を迅速かつ簡便に検出する人工核酸プローブの開発を目的とする。がん治療は外科的な手術と抗がん剤の組み合わせによりがん細胞の除去を行うが、治療中に抗がん剤に耐性を持つ細胞が出現することが問題となる。こうしたキーとなる遺伝子変異はがん種毎に異なることから、それぞれに最適化された検出法が必要となる。一方で手術中に抗がん剤耐性細胞を検出し、確実に切除することができれば治療の予後は大きく向上すると考えられる。そこで本研究は人工核酸プローブを用い、細胞が生きたままで組織内の標的遺伝子変異細胞を簡便かつ迅速検出するシステムを開発する。本年度は生細胞において多様な標的に発生する変異遺伝子を検出するためのプローブを効率的に開発するために、EGFRをモデルとし、プローブ開発のフォーマット構築を行った。具体的にはあらゆるプローブ開発においてベースとなる設計思想を構築するために、①蛍光色素と人工核酸をつなぐリンカーの検討、②蛍光色素の波長の検討、③人工核酸の鎖長の検討を行った。その結果、①においてはベンゼン環を組み込んだ4-6炭素鎖のリンカーを用いること、②においては長波長の色素を用いること、③においては10-12merの核酸を用いることで性能の高いプローブの開発につながることが判明した。また進捗が見られたことから計画を前倒し、生細胞におけるプローブ送達技術開発に取り組んだ。本年度は膜貫通ペプチドを付加したプローブを構築し、生細胞への導入効率の検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一に当初の計画の重要な課題の一つである、効率的なプローブ開発のフォーマット構築において、特にリンカーの設計指針並びに蛍光色素の選択において重要な知見が得られたこと。 第二に、次年度において計画されていた膜貫通ペプチドを付加したプローブを用いて生細胞へのプローブ送達技術開発に前倒しで取り組みを開始したこと。 以上の理由から本研究がおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き前年度に得られた研究成果をさらに発展させ、生細胞における遺伝子変異細胞を検出する手法の開発を目指す。具体的には以下の通り計画を進める。 (1)生細胞においてより効率的にプローブを送達し、解析可能な手法の構築を行う。膜貫通ペプチドの付加による送達法と並行して、界面活性剤などを用いた手法を検討する。 (2)(1)で開発する手法を用いて細胞チップ技術と融合することで、がん組織や血中CTCを標的に生細胞における希少な遺伝子変異細胞を解析する技術開発に取り組む。
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