研究課題/領域番号 |
23K14644
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
上原 将大 金沢大学, がん進展制御研究所, 博士研究員 (90909508)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 膵がん / 抗がん剤耐性 / 分子メカニズム / cyclin D2 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、膵がん難治性の主要因を明らかにするために抗がん剤獲得耐性の新たなメカニズム解明に着目してアプローチする。これまでに、ゲムシタビン(GEM)感受性膵がんBxPC-3細胞から樹立した2系統のGEM獲得耐性細胞においてcyclin D2の突出した発現亢進を 見いだした。これを手掛かりに、cyclin D2の作用からGEM獲得耐性膵がんの分子病態を明らかにし、新たな治療法開発を目指す。
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研究実績の概要 |
抗がん剤獲得耐性の新たなメカニズム解明のため、親細胞BxPC-3とGEM獲得耐性細胞を比較解析した。その結果、GEM獲得耐性細胞においてcyclin D2発現は突出していたが、遺伝子増幅は観察されなかった。cyclin D2発現は多くのがん細胞においてDNAメチル化によって抑制されていることが知られており、親細胞はDNA脱メチル化剤処理によってcyclin D2発現が上昇することが確認された。このことから、GEM耐性細胞におけるcyclin D2発現はDNA脱メチル化によることが明らかとなった。さらに、cyclin D2のノックダウンがGEM感受性を高めることから、cyclin D2がGEM獲得耐性の新たな責任分子である可能性が示唆された。また、GEM耐性を示す膵がん細胞株PANC-1と膵がん肝転移巣由来細胞株PK-1においてもcyclin D2発現が認められ、GEM耐性とcyclin D2の関連が示唆された。in vitro kinase assayによる解析では、GEM耐性細胞においてCDK6の酵素活性が亢進していた。共免疫沈降法による解析では、cyclin D2はCDK6と特異的に結合していた。イソボログラム解析では、GEMとCDK4/6阻害剤の併用効果は相乗的と判定された。以上の結果から、GEM獲得耐性細胞ではエピジェネティック変異によって発現したcyclin D2がCDK6活性を亢進し、GEM獲得耐性に寄与していることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の予定通りに研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に沿って研究を進める。
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