研究課題/領域番号 |
23K14669
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
小出 雄太郎 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研究員 (20813067)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 乳癌 / 放射線治療 / 深吸気息止め照射 / 人工知能 / 予測モデル / Predictive assay / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
乳癌術後の放射線治療は心臓が照射され晩期合併症・心臓死の増加が問題となる。深吸気息止め照射法は心臓線量低減に有効だが、適応判断に余分な検査被曝や呼吸訓練を患者に強いるため、リスクの低い患者には不要とされる。心臓線量の予測研究が複数報告されているが、精度や予測タイミングの課題は未解決である。応募者は深層学習を利用した新しい予測法を開発し、本課題はCTの代わりに胸部X線画像を利用するモデルの確立と他疾患への応用を目指している。胸部X線画像を用いることで一般性が高く早期に取得可能な検査を使用でき、息止め不要例を早期に判別することで、検査に伴う被曝の大幅な低減と患者や医療者の負担の軽減が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究は術前胸部X線画像から乳癌放射線治療の心臓線量を予測する深層学習モデルを開発し、さらに肺線量予測や乳癌以外の疾患に応用可能なモデルに改良することを目的としている。現在は予備実験で得られている深層学習モデルを多施設用に改良する段階である。入力画像を正側面画像から正面像のみで済むように改良を試みている。また同時に他疾患への予測の応用にも取り組むため、肺癌や転移性脳腫瘍、転移性骨腫瘍といった他疾患における生存転帰や腫瘍制御、有害事象に関するイベントに注目した因子分析を進めている。これまでの研究責任者の該当期間中の研究実績として、査読のある英文論文は合計6編掲載された(主著4編、共同主著1編 、責任著者1編 )。国際学会の発表は、欧州放射線腫瘍学会(ESTRO)2023年5月に1題、米国放射線腫瘍学会(ASTRO)2023年9月に1題、欧州放射線腫瘍学会(ESTRO)2024年5月に3題が採択されている。また、2024年4月末に韓国で開催される、Global Breast Cancer Conference 2024では招待演者として乳癌放射線治療について講演予定。国内学会では第28回日本緩和医療学会学術大会(2023年6月)の発表が優秀演題賞を受賞、第47回日本頭頸部癌学会総会 (2023年6月)ではシンポジストとして登壇した。他に、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)2023年11月に3題、日本医学放射線学会中部地方会(2024年2月)に1題、高精度放射線外部照射部会学術大会(2024年3月)に1題の発表をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胸部X線深層学習モデルの構築に取り組んでいるが、既存のモデルのまま多施設研究に用いることができない課題がある。単施設で成果を出したモデルでは胸部X線正面像と側面像の2断面の画像の組み合わせを元に高い予測精度を得られていたが、多施設データでは側面像をルーチンに撮影していない施設も多く、現時点では側面像を用いないモデルが構築できないか取り組んでいる。 本体研究の進捗が遅れている一方で、他領域への研究技術、解析技術の応用は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
胸部X線深層学習モデルの改良に引き続き取り組み、多施設のデータでも高精度の予測が可能なモデル構築を目指していく。さらに、研究技術の他領域への応用は積極的に進めていき、より多くの研究成果が残せるよう引き続き検討していく予定。
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