研究課題/領域番号 |
23K14674
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
中園 智晶 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (10835490)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 海馬 / 時間知覚 / 光遺伝学 / 時間細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
「時間」は我々の日々の記憶において不可欠の要素であるが、「時間を知覚し、その時間 をもとに記憶を構築する神経メカニズム」は未だ解明されていない。その候補として注目されているのが、特定の経過時間に対して選択的な活動を示す海馬の「時間細胞」である。本研究計画では、この時間細胞のリレーの持つ意味を、心理学において提唱された「スカラー期待理論」をモデルとし、光遺伝学的操作と電気生理記録を用いて解き明かす。
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研究実績の概要 |
「時間」は我々の日々の記憶において不可欠の要素であるが、「時間を知覚し、その時間 をもとに記憶を構築する神経メカニズム」は未だ解明されていない。本研究では、そのメカニズムの候補である海馬の「時間細胞」による情報処理様式を心理学のモデルを適応しつつ解明することを目指している。 本年度はそのための実験環境構築を実施した。研究環境の変更により、実験動物をマウスに変更する必要が生じたため、まずピークインターバル課題をマウスに訓練させるオペラント装置のセットアップを実施した。またより簡便に時間知覚を評価する手法として、恐怖条件づけ実験におけるフリージング行動が用いることが可能かどうか検討している。今後はこれらの実験系を併用していく予定である。 さらに電気生理記録システムのセットアップでは、比較的小規模な40cm平方のオープンティールドにおいても海馬場所細胞の活動が記録できることを確認できた。このシステムが稼働したことにより、今後は海馬の時間細胞と場所細胞の類似点・相違点を明らかにしていくことが可能となった。また光操作実験に用いるレーザー装置の制御システムの構築やウイルスベクター発現の確認などを実施した。現在、研究を遂行するためのシステムのほぼすべてが稼働している。 現在の課題として、一度に記録できる神経細胞の個数が十分でないことが挙げられる。この点については、記録システムを今一度見直していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施報告書で示していたように、2023年においてほぼ全ての実験システムを稼働させることができた。さらに当初は計画に盛り込んでいなかった、海馬場所細胞の活動との比較や、恐怖条件づけを用いた時間知覚評価など、まだ準備段階ではあるが、新たな研究の広がりの可能性も見えつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、これまでにセットアップした実験環境を用いてデータ収集を行う。現在の課題として、記録できる神経細胞の個数がやや少ない印象を受けているため、記録用マイクロドライブや記録電極のセッティングを今一度検証する予定である。
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