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リズム逸脱の検出機構をサル小脳への光刺激で探る

研究課題

研究課題/領域番号 23K14677
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分51020:認知脳科学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

亀田 将史  北海道大学, 医学研究院, 助教 (80907717)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード小脳 / 光遺伝学 / 非ヒト霊長類 / リズム知覚 / 時間予測 / リズム
研究開始時の研究の概要

リズム知覚には複数の脳領域が関与しているが、その具体的な神経機構は明らかになって いない。申請者は一定の時間間隔の繰り返し刺激の欠落を検出するようサルを訓練し、線条体と小脳核から周期的なニューロン活動を記録してきた。これまでの研究により、小脳は繰り返し刺激の内部モデルを表象し、感覚予測に関与していることが示唆されているが、小脳の活動が刺激タイミングの予測誤差の検出に必要であるか証明できていない。本研究では繰り返し刺激の中に微かなリズムの乱れを提示し、1)その検出感度を小脳核の神経活動の光遺伝学的操作によって変化させるとともに、2)リズムの乱れがその後の小脳の周期的活動へ与える影響を明らかにする

研究実績の概要

一定の時間間隔で繰り返される視覚刺激の遅延を検出してボタン押しで答えるようサルを訓練し、小脳歯状核からリズム知覚中に周期的な活動を示すニューロンの記録を行なった。本年度は新たにもう1頭のサルから同様のニューロンの記録を行い、視覚刺激の遅延(リズム逸脱)を検出しそれに反応した試行と、反応できなかった試行に分けてこれらニューロンの活動を比較した。昨年度に1頭から記録したニューロン活動と同様、遅延刺激が本来提示されるタイミングにおける活動の大きさが遅延を検出しそれに反応した試行において有意に高いことを確認した。 続いて、小脳に対して光遺伝学的な操作を行ったときの視覚刺激の遅延の検出率への影響を調べた。サル小脳歯状核に投射する半月小葉(ClusI,II)へプルキンエ細胞特異的なL7プロモータ下にチャネルロドプシン2(ChR2)を発現するアデノ随伴ウイルスベクター(AAV9)を接種した。ChR2の発現を生理学的に確認した後、小脳歯状核へのレーザー光照射(プルキンエ細胞の終末刺激)によって小脳歯状核の神経活動抑制によるリズム知覚への影響を調べた。その結果、光刺激によって視覚刺激の遅延の検出率が有意に低下することが明らかになった。本年度に神経活動記録を行ったサルに関しては両側の半月小葉へChR2を接種し、発現を確認した。両側の小脳歯状核を同時に活動抑制することで、光刺激により視覚刺激の遅延の検出率をより大きく変化させることが可能になると期待される。本研究でこれまで得られた成果について、10月にシカゴで開催された北米神経科学学会で発表を行った。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

視覚刺激の遅延(リズム逸脱)に関連する小脳歯状核ニューロン活動の記録に関して、新たに1頭のサルから記録を行った。これまで2頭のサルから記録を終了しており、遅延検出の有無において期待された神経活動の変化が示された。小脳に対する光遺伝学的な操作に関して、上記のニューロン記録実験を終了したサルの半月小葉へChR2を発現するアデノ随伴ウイルスベクター(AAV9)を接種した。小脳皮質および小脳歯状核のニューロン活動がレーザー照射により操作できることを確認した。1頭のサルでは光刺激による行動変化を調べており、小脳歯状核の不活性化により視覚刺激の遅延の検出率が低下することを明らかにしている。2頭目のサルにもすでに両側の半月小葉へChR2を発現させており、刺激実験を行う準備ができている。

今後の研究の推進方策

新たに両側の半月小葉にChR2を発現させたサルに対し、片側または両側の光刺激を行うことでリズム知覚への影響を調べる。光刺激の実験は半年以内に終了し、免疫染色によってChR2の発現を確認する。またこれまで記録した神経活動や光刺激実験の行動データの解析を進め、本研究の成果を国内外の複数の学会で発表する予定である。次年度は10月に東京で開催される国際学会であるTiming Research Forum 4において発表し、時間知覚研究における国内外のトップレベルの研究者と議論を行うことによって、本研究の論文化に向けて改善点などを明らかにするとともに、自身の研究の立ち位置を確認する。

報告書

(2件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Temporal Information Processing in the Cerebellum and Basal Ganglia2024

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Masaki、Kameda Masashi、Okada Ken-ichi
    • 雑誌名

      Advances in Experimental Medicine and Biology

      巻: 1455 ページ: 95-116

    • DOI

      10.1007/978-3-031-60183-5_6

    • ISBN
      9783031601828, 9783031601835
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Sensory and motor representations of internalized rhythms in the cerebellum and basal ganglia2023

    • 著者名/発表者名
      Kameda Masashi、Niikawa Koichiro、Uematsu Akiko、Tanaka Masaki
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 120 号: 24

    • DOI

      10.1073/pnas.2221641120

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 同期運動とリズム知覚の神経機構2023

    • 著者名/発表者名
      田中真樹、岡田研一、亀田将史
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 41 ページ: 1044-1047

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Involvement of the lateral cerebellum in the detection of rhythmic deviations as revealed by primate optogenetics2024

    • 著者名/発表者名
      Masashi Kameda, Masaki Tanaka
    • 学会等名
      Society for neuroscience 2024
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] リズムの逸脱検出には小脳が関与する~光遺伝学による検討2024

    • 著者名/発表者名
      亀田将史、田中真樹
    • 学会等名
      日本生理学会 北海道地方会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-12-26  

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