研究課題/領域番号 |
23K14689
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
景山 裕介 滋賀医科大学, 医学部, 研修医 (80971069)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβ / リン酸化タウ / オリゴマー / タウ / 毒性オリゴマー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究代表者らは、中央部分にターン構造を有し、高いオリゴマー形成能と細胞毒性を示す Aβ42の配座固定誘導体(SS-Aβ42)に対する特異抗体を用いた研究から、SS-Aβ42と類似した立体構造をもつAβ凝集体が、AD患者の脳組織に蓄積していることを発見した。本研究では、cognitive normal、MCI、AD群のヒト脳組織検体を、免疫組織化学的手法で解析することによって、Aβオリゴマーの蓄積時期や局在性を明らかにする。さらに、SS-Aβ42を利用して、Aβオリゴマーと過剰リン酸化タウとの相互作用をIn vitro/細胞培養実験で検証する。
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病(AD)の病理所見として過剰リン酸化タウと老人斑の蓄積が挙げられる。AD発症において、老人班の前駆物質であり、アミロイドβの凝集によって形成されるアミロイドオリゴマーが、重要な役割を果たすと考えられている。本研究はアミロイドオリゴマーのヒト脳における形成時期及び発生部位を明らかにすることを目的としている。同時に過剰新酸化タウ形成におけるアミロイドオリゴマーの影響も検討する。 今年度は、共同研究先である福祉村病院ブレインバンクからパラフィン切片と凍結脳を入手し、脳組織染色及びアミロイドオリゴマー定量を実施した。定量に必要であった抗アミロイドオリゴマー抗体を組み込んだElisaキットを作成・入手し、大量のサンプルの定量に向けた体制が整った。 過剰リン酸化タウ形成へのアミロイドオリゴマーの影響については、Tau RD P301S FRET Biosensor細胞を導入することでの検討する方針となった。この細胞株と各種アミロイドオリゴマーとの共培養実験系は確立しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アミロイドオリゴマー定量の要であったElisaキットが作成・入手でき、またオリゴマー抽出法が確立しつつある為、初年度の目標であった実験系確立は達したと思われる。 リン酸化タウ凝集を安定的にモニターする細胞実験系が確立しつつあり、また各種アミロイドオリゴマーの毒性や凝集能のデータも集まりつつある。2024年度は本格的にアミロイド・タウの相互作用を検討する素地が整ったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き福祉村病院ブレインバングと連携し、当初の予定であった脳組織染色・及び定量実験を実施する。 Tau RD P301S FRET Biosensor細胞を使った実験では、顕微鏡による形態観察やFRET/Western blottingによる凝集タウタンパクの定量によって、アミロイドオリゴマーのタウ凝集への影響を検討する。 In vitroタウ凝集実験では、大腸菌によるタンパク合成及び精製を行い、アミロイドオリゴマーとの共培養実験を2024年度に実施する予定である。
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