研究課題/領域番号 |
23K14708
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
服部 ゆかり 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (60970910)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | エンドオブライフ / 高齢者 / アドバンスケアプラニング / 在宅医療 / 限られた生命予後 / 薬物療法 / アドバンスケアプランニング |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者では非がん疾患も多く、要介護度の高い高齢者では余命を予測することが難しい。「エンドオブライフ」の前段階である「限られた生命予後」の時期を医療従事者が認識し、徐々に「看取り」に向けて医療を見直すことは、患者のQOLや医療資源の観点からも重要である。本研究では1)「限られた生命予後」の時期の医療、社会的背景の状況を量的・質的に解析し、この時期に適した医療を提供するための具体的な評価および実践方法を提案する。2)この時期に関わる医師がどのような指標を使って予後予測を行っているかを調査し、その予測の妥当性を検証することで、「高齢者の看取り」時期を認識するための具体的な指標を提案する。
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研究実績の概要 |
在宅医療を受け死亡した患者(1施設、89人)を2群に分け(①かかりつけ医との関係が長い、会員制の医療組織に所属している患者②かかりつけ医との関係が短い、地域の在宅医療を受けている患者)各グループでの医療内容および社会的背景を調査した。二つのグループにおいて平均年齢(①92.5±6.8、②90.4±6.9)や居住場所(在宅が約7割)、背景疾患(認知症が約5割)で共通点はみられた。一方で、違いがみられた点として、介護する者が①の会員の患者では自費介護ヘルパーと子供、②地域の患者では子供、妻と違いがみられたり、死亡場所においては、両者とも自宅が多かったものの、病院で死亡した割合では、②の地域の患者の方が高かった。また、①会員の患者では、全員とアドバンスケアプラニング(ACP)を行い、患者の死亡後の家族へのグリーフケアを行った割合が高かった。今回の結果からは、かかりつけ医との関係が長い方がACPを行いやすく、エンドオブライフ時期の医療やケアに影響を与えたと考えた。 現在、療養環境の異なる高齢者施設をフィールドとした研究を行うため、介護保険施設や療養型病院、診療所の協力施設のリクルートを行っており、「限られた生命予後」の時期から「エンドオブライフ」時期の医療内容を調査し、この時期に適した医療提供ができるような具体的な評価および実践方法を検討する。また、本研究と関連するものとして、NDBデータベースを用いた在宅療養高齢がん患者のエンドオブライフの薬物療法の実態や、国際共同研究にも参加しており、介護施設入所者の薬剤使用実態の比較やアジア太平洋地域の高齢者糖尿病患者に関する診療ガイドラインの国際比較の検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リクルート、データ収集で時間を要しているが、区分を上記とした。学会発表などの成果発表も行っており、引き続き研究を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き各施設でのデータ収集、解析を進めていき、学会発表を行っていく。NDBデータベース研究や国際共同研究は論文投稿を進めていく。
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