研究課題/領域番号 |
23K14720
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
岡本 瑞穂 東京工科大学, 応用生物学部, 助教 (90964148)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / iPS細胞 / ミトコンドリア / 小胞体 / カルシウム |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)では、てんかん様興奮波が記録され、ADの新しい病因として注目を浴びている。我々は、早期発症型AD患者由来iPS細胞から分化させた神経細胞で、異常Ca2+波を観察した。しかし、異常Ca2+波が神経障害を引き起こすメカニズムは不明である。そこで、異常Ca2+波が、神経細胞代謝に及ぼす影響を調査する事とした。本研究は、ADに於いて、異常アミロイドやタウ蛋白蓄積より早期に発生する神経障害のメカニズムを解明しようという試みである
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研究実績の概要 |
本研究は、アルツハイマー病(AD)でのミトコンドリア機能障害が、異常Ca2+によって引き起こされるかを明らかにすることを目指している。 ADでは、てんかん様興奮波が記録され、ADの新しい病因としてCa2+の異常が注目を浴びている。我々は、早期発症型AD患者由来iPS細胞から分化させた神経細胞で、異常Ca2+波を観察し、報告してきた。しかし、異常Ca2+波が神経障害を引き起こす詳細なメカニズムは不明である。そこで、異常Ca2+波が、神経細胞代謝に及ぼす影響を調査し改善することを目的とした。本研究は、ADに於いて、異常アミロイドやタウ蛋白蓄積より早期に発生する神経障害のメカニズムを解明しようという試みである。先行研究において、小胞体(ER)より放出されるCa2+の一部はミトコンドリアに貯蔵されていくことが明らかになっている。一部の神経障害では、ミトコンドリアへのCa2+の異常蓄積が認められ、ミトコンドリア機能障害が引き起こされることが報告されている。ミトコンドリア機能障害が引き起こされることによりアポトーシスによる神経細胞死が起き、神経脱落が起きていくことが推定されてきている。プレセニリン(PSEN1)変異による早発性ADにおいて、Ca2+異常がADを引き起こす原因は明らかにされておらず、さらなる解析が期待されている。本研究は、PSEN1変異AD患者由来ヒトiPS細胞を用いて神経細胞を作製し、Ca2+の異常によりミトコンドリア機能障害が引き起こされるのかを明らかにすることを調べていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りに、PSEN1変異由来ヒト神経細胞を作製し、複数の観点からミトコンドリア機能異常を認めている。 また、Ca2+異常波とミトコンドリア機能の解析も進んできている。
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今後の研究の推進方策 |
PSE1変異ヒトiPS由来神経細胞でミトコンドリア機能異常を認めている。今後は、ミトコンドリア機能異常がCa2+の異常によって引き起こされているかを、各種Ca2+の阻害剤を用いて明らかにする予定である。昨年度に引き続きミトコンドリア機能異常を明らかにしていく。
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