研究課題/領域番号 |
23K14734
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
齊田 和哉 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (30911565)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ケモブレイン / 消化器がん / 腸脳相関 / 脳腸相関 / 自律神経 / 心拍変動 / 高次脳機能 / 腸内細菌 / 認知リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
がんに関連した化学療法誘発性の認知機能障害(ケモブレイン)は、がんサバイバーの社会復帰を妨げる要因である。近年、ケモブレインへの腸脳相関の関与が新たに指摘されているが、その発生機序は明らかではなく治療方法が確立していない。今回の研究目的は、ケモブレインによる神経認知の変化を中枢神経系および腸管神経系・腸内細菌との関連性から検証し、ケモブレインの発生機序を明らかにすることである。さらに、ケモブレインに対する腸脳相関に基づいた栄養学的かつリハビリテーション医学的治療を確立し、がんサバイバーの社会支援につなげる。
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研究実績の概要 |
がん関連認知機能障害、特に化学療法誘発性の認知機能障害(ケモブレイン)は、がんサバイバーが潜在的に経験することが多く、QOL低下や社会復帰を妨げる要因の一つであると考えられている。近年、ケモブレインへの腸脳相関の関与が新たに指摘されているが、その発生機序は明らかではなく治療方法が確立していない。本研究の目的は、消化管がんサバイバーを対象にケモブレインによる神経認知の変化を中枢神経系および腸管神経系・腸内細菌との関連性から検証し、その発生機序を明らかにすることである。現在までの研究実績として、付属の大学病院との共同研究により、消化器がんサバイバーのケモブレインの実態を調査する前向き縦断研究が遂行され、予定症例数のデータを取り終えた。この研究により、ケモブレインを脳機能・神経認知から捉える国内で臨床応用可能な評価プロトコルが確立し、国内学会やセミナー,書籍での周知を進めている。さらに、この研究成果として、消化器がんサバイバーのケモブレインの神経認知障害への影響では、特に記憶機能(言語記憶の遅延再生)での低下が明らかになり、国際誌や国際学会への投稿準備を進めている。一方で、腸脳相関を基盤とした評価の一つとして、自律神経系への影響を調べるためにスマートデバイスでの心拍変動解析法を用いたストレス応答を健常者データで計測し、その成果を国際誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床応用可能な腸脳相関を基盤とした評価として、脳機能・神経認知から捉える評価プロトコルは確立した。腸管神経系の評価として、心拍変動分析によるストレス反応試験の予備研究までは進んでいるが、hypothalamic-pituiatry(HPA)系の内分泌系や腸内細菌叢からの評価方法・研究の準備が遅れており、予定していた探索的な横断研究に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
がんサバイバーの腸管神経系・腸内細菌叢からの評価方法を専門家の助言をもとに進めていく。具体的には内分泌系のストレス応答として、唾液アミラーゼを検討していたが日内変動など不安定な指標であるため、炎症関連マーカー(IL-6など)に変更を検討していく。腸内細菌叢の解析については外部委託を検討し準備を進めていく。今年度中に、消化器がんサバイバーのケモブレインに関する横断研究の遂行を目標とする。
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