研究課題/領域番号 |
23K14745
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
森谷 千尋 順天堂大学, 医学部, 助教 (90645037)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨格筋 / 不活動 / 高脂肪 / DNAメチル化 / 筋肉 / 脂肪組織 / インスリン抵抗性 / 高脂肪食 |
研究開始時の研究の概要 |
健康寿命の延伸に、骨格筋の量を良好な状態で維持する必要がある。骨格筋の萎縮は一種の老化現象として捉えられてきたが、近年では不活動とともに、我が国で摂取量が増加している高脂肪食といった生活習慣が相乗的に骨格筋の萎縮を促進する可能性がある。本研究では不活動筋萎縮モデルマウスを用いて、高脂肪食と不活動が相乗的に骨格筋萎縮を促進するメカニズムに関して、エピゲノム変化を中心に解析する。本研究の強みは、ヒト骨格筋サンプルを採取し解析できる状況にあることであり、マウスでのデータがヒトのデータを反映しているか確認しながら研究をおこなう。本研究結果は、骨格筋萎縮予防に対する効率的な新規介入法の開発につながる。
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研究実績の概要 |
運動不足と高脂肪食(HFD)はそれぞれ骨格筋量の減少に影響を及ぼすとされており、これらの状態はDNAメチル化の調節にも関与していることが知られている。しかしながら、運動不足やHFDが骨格筋量の減少にどのようにDNAメチル化を介して作用するのかは、明らかにされていない。この問題を解明するため、マウスを用いて運動不足のモデルを作成し、正常脂肪食または高脂肪食を2週間与えた後、後肢をギプスで固定する実験(HCI)を1週間実施し、ヒラメ筋と足底筋の筋肉量を測定した。また、DNAメチル化の状態は、Infinium Mouseメチル化ビーズチップを用いて詳細に評価・分析された。 実験の結果、2週間の高脂肪食単独では筋肉量に顕著な変化は観察されなかったが、HCI単独で行った場合には体重に対する筋肉量が減少し、特に高脂肪食を経た後のHCIではさらに筋肉量の減少が顕著であった。このことから、運動不足と高脂肪食の相乗効果が筋肉量の減少を促進することが示唆された。さらに、主成分分析とクラスター解析を通じて、これらの介入がヒラメ筋のプロモーター領域のDNAメチル化に一貫性を持って影響を与えていることが確認されたが、足底筋ではそのような一貫性は見られなかった。また、エピジェノムワイド関連解析と遺伝子オントロジー解析により、ヒラメ筋においてはHFD後のHCIが行われた際にのみ、筋肥大に関与する遺伝子のプロモーターで高いメチル化が観察された。 これらの結果は、HFDが運動不足によるヒラメ筋の減少をどのように促進するか、そしてその過程でDNAメチル化がどのような役割を果たしているのかを示唆しており、筋肉減少の分子メカニズムの解明に寄与するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究成果から、高脂肪食と運動不足が骨格筋量の減少に及ぼす影響と、このプロセスにおけるエピジェネティックな変化の関連性を示唆できた。これは、当初の研究計画に従って進行していることを確認するものである。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、DNAメチル化データと遺伝子発現プロファイルを統合分析することで、骨格筋量減少に対する個々の遺伝的変化がどのように影響を与えているかをより詳細に解明する。特に、遺伝子のプロモーター領域やエンハンサー領域でのメチル化パターンを詳細に調べることにより、重要なDNAメチル化部位を同定し、その機能的意義を探求する。そして、これらの分析を通じて、筋肉量減少に対するエピジェネティックな調節メカニズムを明らかにする。
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