研究課題/領域番号 |
23K14766
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
小笠原 真志 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第一部, 研究生 (70827617)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 先天性ミオパチー / ネマリンミオパチー / NEB / 筋力低下 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦におけるNEB-RMの報告は数例あるのみで、本邦における自然歴についても不明である。本邦においては2つの共通する変異(c.21522+3A>G変異とc.24684G>C変異)を非常に多くの患者が共有していることを見出し、大規模な解析を行うことによって統計学的に遺伝子型・表現型相関を証明することができるのではと考え、本研究を着想した。
|
研究実績の概要 |
ネマリンミオパチー(nemaline myopathy: NM)は筋病理学的に筋線維内にネマリン小体と呼ばれるアクチンフィラメントとz線由来の異常構造物が蓄積し、筋力低下を呈する遺伝性の筋疾患である。これまでに14の原因遺伝子が報告されており、NEB遺伝子の常染色体劣性遺伝変異はNMの原因として最多である。また、NEB遺伝子異常の患者の一部は筋病理でネマリン小体を認めない症例もいるため、NEB遺伝子異常によって発症するミオパチーをNEB関連ミオパチー(NEB-related myopathy: NEB-RM)と呼ぶ。NEB-RMの遺伝子型・表現型相関は未だ解明されておらず、本邦におけるNEB-RMの大規模研究はなくその自然歴も不明である。私は、本邦におけるNEB-RM患者83例を同定し、c.21522+3A>G変異とc.24684G>C変異をヘテロ接合性に持つ患者をそれぞれ31例と35例ずつ見出した。本研究では、私が分類した3つの群で遺伝子型・表現型相関を示すのかを証明することを目的とする。また本邦におけるNEB-RMの自然歴を解明することを目的とする。 2023年度の研究成果は下記の通りであり、概ね予定されている研究計画どおりに進行している。 (1)合計83名のネマリンミオパチーの患者について、病歴の足りていない症例でかつ主治医にコンタクト可能な46例に追加病歴調査を実施した。現在徐々に追加での病歴データが返ってきている。 2024年度は帰ってきた病歴データをもとに3つの患者群において患者データをまとめ、統計学的に解析を行う。 主治医より提供された骨格筋画像(CTやMRI)を詳細に評価し、大腿や下腿における筋選択性をスコアリングし、統計学的に解析する。ネマリン小体に加えて、筋の大小不同、壊死再生、内在核、筋内鞘の線維化、筋原線維間網の乱れ等についても詳細な評価を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定よりも患者数が76名から83名と増加し解析対象が増加している。 病歴情報が少なく主治医にコンタクト可能な症例46例については病歴調査書を全て送付し、現在徐々に返事が返ってきている。 画像の解析については現在病歴調査書の返事を待っている段階であり、その症例数も徐々に増えている。 筋病理所見についてはネマリン小体の頻度、分布についての解析はおおむね順調に進んでいる。 RNA-seqに関しては4例で行れているが、まだ解析はできていない。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画に大きな変更はなく、当初の研究計画を継続する
|