研究課題/領域番号 |
23K14767
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立神経病院(臨床研究室) |
研究代表者 |
木田 耕太 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立神経病院(臨床研究室), 脳神経内科, 医師 (30626601)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 線維束性収縮 / 超音波 / 線維束自発電位 / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
1. ALS診断時に実施するUS、EMGの検査結果について、US-fasの動画に基づく運動パターンの解析と、筋内における出現パターンの解析を加える。また、すでにALS診断における特異度が高いことが明らかであるEMG-FPにおけるCFPとの関連を解析することにより、ALSにおける特異的なUS-fasの運動パターンを明らかにする。 2. US-fasが検出された非ALS患者群についても、同様にUS-fasの解析を行い、ALS群との差異を明確にする。 3. ALS群については、その経過を前向きにフォローアップし、US-fasやEMG-FPの有無およびその特徴と生命予後、機能予後との関連について調査する。
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研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)および 線維束性収縮(fasciculation)を呈するALS以外の疾患(non-ALS)の対象患者に対して上部僧帽筋、上腕二頭筋、橈側根伸筋、胸部傍脊柱起立筋、内側広筋、前脛筋、等の被検筋において針筋電図検査(EMG)、超音波検査(US)を実施し、データを集積を進めている。本報告書作成時点で目標症例数の約半数である50例以上についてすでに検査を実施できた。また,対象患者の一部については、USを経時的に繰り返し実施した。 データの集積と並行して超音波画像データの解析を医用画像、特に超音波画像解析を専門とする東京都立大学システムデザイン学部システムデザイン学科 田川研究室と共同で進めている。超音波画像のオプティカルフローを解析し、USで検出されたfasciculation(US-fas)の特徴について調査した結果、US-fasの“回転様”運動において正回転の後に引き続いて負の回転が発生することが多いことを見出した。オプティカルフローの解析にGreenの定理を適用することで筋内におけるUS-fasによる回転運動が生じる部位と、静止している部位を明確に識別することができた。 ALS患者については、EMG, USなどの検査データと臨床像との関連を検討するための縦断的なフォローアップを行なっている。臨床的重症度(revised ALS functional rating scale;ALSFRS-R)、呼吸機能、体格指数(BMI)、除脂肪体重、横隔神経伝導検査などの臨床データ、さらに胃瘻造設や人工呼吸器の使用、気管切開、死亡などのアウトカムについて経時的なデータの修正を開始/継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由:EMG, US検査の進捗が順調であり,データ集積は当初計画通り進んでいる。並行して超音波画像の解析についても開始している。ここまでの状況から、進行具合としてはおおむね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
(1)EMG、 US検査の実施を継続しデータ集積をさらに進める。運動成分の分析を行うとともに筋内でのUS-fasの出現頻度と出現部位の分布について分析する。ALS患者に得意的なEMG所見であるcomplex form fasciculation potential (CFP)検出筋と非検出筋におけるfasciculationの特性を比較し、fasciculationがCFPと同等の診断的意義もつかについても検証をはじめる。 (2)症例の縦断的なフォローアップを行い、検査所見と診断後の機能予後・生命予後の検証に向けたデータの集積を進める。 (3)超音波画像解析については、解析の自動化を課題として取り組んでいく。
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