研究課題/領域番号 |
23K14801
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
萩原 康輔 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10829518)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 計算論的モデル / リスク選好 / うつ / 不安 / 併存 |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病と不安症は共に有病率が高く、社会的影響も大きい。更に、両疾患が併存した場合、より難治となる。意思決定は高次実行機能の1つであり、リスク下での意思決定(リスク選好)はうつ病・不安症で共に障害されることから、共通した病態メカニズムの可能性がある。本研究では、厳密な意思決定課題と計算論的アプローチによる、うつ病・不安症のリスク選好の異常のより精緻な評価、そしてその病態メカニズムの解明を目的とする。リスク選好という中間表現型の活用によってうつ病・不安症・両疾患の併存状態の病態解明・治療法開発に寄与・貢献できる。意思決定障害は疾患を超えたリスク因子として注目されており、他疾患への応用も期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、厳密な意思決定課題と計算論的アプローチを用いて、うつ病・不安症・うつ病と不安症の併存状態におけるリスク選好の異常をより精緻に評価し、その病態メカニズムを解明することを目的としている。 初年度では、うつ病・不安症におけるリスク選好の役割も含めた発症メカニズムを明らかにするため、健常者を対象とした研究を実施した。健常者52名をリクルートし、うつ症状・不安症状の評価を行い、リスク選好を評価する意思決定課題を実施した。また、リスク選好がうつ病・不安症を発症する予測因子になり得るか調査するため、現在、半年間の追跡を行っている最中である。患者に関しては、新たに2名の患者リクルートを行い、うつ症状・不安症状の評価ならびにリスク選好の評価を含む意思決定課題を実施した。現在までに、合計33名の患者をリクルートすることができている。また、うつ・不安の脳病態メカニズム解明の一環として、日常的因子の1つである自然画像の鑑賞がうつ病患者・不安症患者に与える影響を研究した。うつ病患者・不安症患者を各30名リクルートし、自然画像刺激と対照画像刺激(都市画像)を用いたクロスオーバー比較試験を実施した。画像刺激前後で気分評価を行い、また画像鑑賞中には近赤外線分光法(NIRS)にて前頭葉の脳血流変化を評価した。その結果、うつ病群・不安症群ともに自然画像による視覚刺激後に気分高揚効果が観察された一方で、脳血流変化についてはうつ病群のみで眼窩前頭前野の酸素化ヘモグロビン濃度が自然画像による視覚刺激後に有意に上昇し、うつ病と不安症の脳機能レベルでの異質性を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、健常者および患者のリクルートを実施することができた。また、うつ病・不安症・併存状態の脳病態メカニズム解明の一環としてうつ病・不安症患者に対する自然画像刺激の研究も行うことができた。これらの研究実績から、おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
リスク選好を評価する意思決定課題について、引き続き健常者と患者のリクルートを進め、解析を行う。 また、うつ病・不安症の脳機能レベルでの病態メカニズム評価に関する研究も継続して実施していく。
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