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リゾリン脂質メディエーターの産生低下がもたらす16p11.2欠失症候群発症の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 23K14810
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関川崎医科大学

研究代表者

北風 圭介  川崎医科大学, 医学部, 助教 (80840545)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード脂質メディエーター / リゾリン脂質 / グリセロホスホジエステラーゼ / リゾホスホリパーゼD / 脂質代謝 / 16p11.2欠失症候群 / 小胞体ストレス / 小胞体ストレス応答
研究開始時の研究の概要

16p11.2 領域のゲノムコピー数変異(16p11.2欠失症候群)は様々な精神疾患発症の原因となる。16p11.2欠失症候群の病態には脂質代謝の変化が重要であることが示唆されているが、該当領域には複数の脂質代謝酵素がコードされており、疾患発症メカニズムの理解は十分には進んでいない。本研究ではリゾリン脂質代謝に着目し、16p11.2 欠失症候群発症との関連を解明し、新規治療法開発へと発展させる。

研究実績の概要

16p11.2 領域のゲノムコピー数変異(16p11.2 欠失症候群)は様々な精神疾患発症の原因となる。16p11.2 欠失症候群の病態には脂質代謝の変化が重要であることが示唆されているものの、該当領域には複数の脂質代謝酵素がコードされており、疾患発症メカニズムの理解は十分には進んでいない。GDE7 は16p11.2 領域にコードされるリゾホスホリパーゼD型酵素であり、リゾホスファチジン酸(LPA)等のリゾリン脂質メディエーターを生成する。また、予備的研究により、GDE7は環状ホスファチジン酸(cPA)生合成活性を持つ可能性が考えられた。cPAはLPAと類似した構造を持つリゾリン脂質メディエーターであり、神経細胞の生存促進作用や神経突起の伸長促進作用を持つことが知られている。一方でGDEファミリーメンバーであるGDE4は同様にLPAを産生するが、cPA生成活性を持たない。GDE4およびGDE7を介したLPAとcPAレベルの調整が疾患の発症・進展に重要な因子であると予想されたことから、本研究ではGDE4/7と16p11.2 欠失症候群の関連を解明し、新規治療法開発へと発展させることを目指した。
本年度は(i)GDE7が小胞体内腔でcPAを産生すること、(ii)産生されたcPAは脂質メディエーターとして機能すること、(iii)GDE4/7の発現が小胞体ストレスによって誘導されること、を見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

GDE7が脂質メディエーターとしてのcPAを小胞体内で産生することが確認出来た。GDE4およびGDE7の発現制御機構についても明らかになりつつある。病態生理学的意義の解明を目指して次の実験を進めており、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

GDE4およびGDE7の発現制御機構について引き続き詳細に解析する。また、GDE4およびGDE7が産生したLPA/cPAの標的についても解析し、病態とGDE4/7の関連を明らかにする。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Sweat Protects against Contact Hypersensitivity: Transient Sweat Suppression Compromises Skin Barrier Function in Mice2024

    • 著者名/発表者名
      Ishimaru Hironobu、Nakamoto Kenta、Yamane Mariko、Yamamoto Takenobu、Kitakaze Keisuke、Takenouchi Yasuhiro、Tsuboi Kazuhito、Okamoto Yasuo、Aoyama Yumi
    • 雑誌名

      Journal of Investigative Dermatology

      巻: - 号: 10 ページ: 2211-2220.e6

    • DOI

      10.1016/j.jid.2024.02.025

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] GDE7 produces cyclic phosphatidic acid in the ER lumen functioning as a lysophospholipid mediator2023

    • 著者名/発表者名
      Kitakaze Keisuke、Ali Hanif、Kimoto Raiki、Takenouchi Yasuhiro、Ishimaru Hironobu、Yamashita Atsushi、Ueda Natsuo、Tanaka Tamotsu、Okamoto Yasuo、Tsuboi Kazuhito
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 6 号: 1 ページ: 524-524

    • DOI

      10.1038/s42003-023-04900-4

    • URL

      https://pure.teikyo.jp/en/publications/947a609c-6da0-4d1f-99c0-4abc000a99c8

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 線維化に関連するオーファンGタンパク質共役型受容体Gpr176の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      岡本安雄, 松井玲奈, 古賀大輔, 竹之内康広, 北風圭介, 石丸浩靖, 坪井一人
    • 学会等名
      第64回日本生化学会中国・四国支部例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] グリセロホスホジエステラーゼ7が産生する環状ホスファチジン酸はPPARγを抑制する脂質メディエーターとして機能する2023

    • 著者名/発表者名
      北風圭介, Hanif Ali, 木本来希, 竹之内康広, 石丸浩靖, 山下純, 上田夏生, 田中保, 岡本安雄, 坪井一人
    • 学会等名
      第64回日本生化学会中国・四国支部例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 線維化に応答するオーファンGタンパク質共役型受容体Gpr176の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      岡本安雄, 松井玲奈, 古賀大輔, 竹之内康広, 北風圭介, 石丸浩靖, 坪井一人
    • 学会等名
      第143回日本薬理学会近畿部会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 線維化に促進的に働くGタンパク質共役型受容体Gpr176の同定2023

    • 著者名/発表者名
      岡本安雄, 松井玲奈, 古賀大輔, 竹之内康広, 北風圭介, 石丸浩靖, 坪井一人
    • 学会等名
      第39回 創薬・薬理フォーラム岡山
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 線維化に促進的に働くGタンパク質共役型受容体Gpr176の同定2023

    • 著者名/発表者名
      岡本安雄, 松井玲奈, 古賀大輔, 竹之内康広, 北風圭介, 石丸浩靖, 坪井一人
    • 学会等名
      第75回日本生理学会中国四国地方会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] N-アシルエタノールアミン酸性アミダーゼおよび酸性セラミダーゼの蛍光基質に関する特異性解析2023

    • 著者名/発表者名
      坪井一人, 水田啓太, 北風圭介, 竹之内康広, 石丸浩靖, 岡本安雄
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] オーファンGタンパク質共役型受容体Gpr176は線維芽細胞の活性化に関与する2023

    • 著者名/発表者名
      岡本安雄, 松井玲奈, 古賀大輔, 竹之内康広, 北風圭介, 石丸浩靖, 坪井一人
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 肺胞上皮細胞の老化は肺の線維化を促進する2023

    • 著者名/発表者名
      竹之内康広, 宇納恵大, 北風圭介, 杉本理栄, 石丸浩靖, 坪井一人, 岡本安雄
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 前立腺がん細胞において小胞体ストレス応答はリゾリン脂質メディエーター産生酵素の発現を亢進する2023

    • 著者名/発表者名
      北風圭介, 鵜飼悠, 高峯大典, Jirapat Namkaew, 濱田良真, 竹之内康広, 坪井一人, 親泊政一, 岡本安雄
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 環状リン脂質メディエーターを小胞体で産生する酵素を発見 ~乳がんや肥満の治療標的分子として期待~

    • URL

      https://k.kawasaki-m.ac.jp/document/2023/20230517.pdf

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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