研究課題/領域番号 |
23K14845
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
井口 治男 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60648880)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | MRリニアック / イメージングバイオマーカー / 放射線毒性 / 機能画像 / 超寡分割照射 |
研究開始時の研究の概要 |
技術革新や世界的パンデミックにより、放射線治療期間を短縮する寡分割照射に対する需要が高まっている。しかしながら線量増加に伴う正常組織への毒性が未解決課題として存在する。MRリニアックは、高精度放射線治療装置と生体情報を可視化できる高画質MRIが一体化し、治療期間中の精密な位置補正に加え、これまで成し得なかった機能情報の追跡が可能となる。本研究ではこの新技術を前立腺癌患者に臨床展開し、AIを用いた「Radiomics」を応用することで、尿路組織の毒性を定量化するイメージングバイオマーカーを探索する。高画質MR画像から放射線治療後の尿路毒性の早期予測を実現することで低侵襲放射線治療の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はMRリニアックを用いた前立腺超寡分割照射の前向き臨床研究として、照射時にリアルタイムに得られる尿路構造のイメージングからMR画像特徴量の変化に関してラジオミクスを用いて定量化し、臨床的な尿路毒性の指標であるQOLを反映するイメージングバイオマーカーを探索し毒性予測モデルを構築することである。本研究では新たにMRリニアックで判別できるようになった微細尿路組織(膀胱粘膜、尿道粘膜)に着目し、一連の超寡分割照射期間中のMR画像変化についてラジオミクス解析を行い、前向き研究として前立腺癌患者の尿路毒性の予測モデルを構築する。そして、治療後超早期に毒性を予見することで、超寡分割照射における尿路毒性回避法の開発につなげることが研究の狙いである。今年度は機能画像データベースとしてWindowsサーバー機能を有したNAS上にDICOMサーバーを構築し、MRリニアックと画像データとの互換を可能にした。Pythonコードを用いて転送されたMRIデータのDICOMヘッダ情報を基に、患者、治療日、撮影シーケンス毎にMRIデータを自動階層化するシステムを構築した。また、PythonソースパッケージであるPyRadiomicsと3D SlicerのRadiomics拡張機能を用いて、各治療日に撮影した拡散強調MRIに関して、MR収集における磁場強度、スライス厚、スライスギャップ、機能画像の種類、TE時間、TR時間など撮像シーケンスを確立し、画像特徴量分析、ならびにデルタ医用画像特徴量分析を実施し、治療期間中の画像特徴量変化を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はデータベース構築、MR画像誘導即時適応放射線治療の実施によるデータ蓄積、治療期間中の画像特徴量変化の解析を行った。本研究は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はMR画像誘導即時適応放射線治療を介した高磁場MRIデータ、ならびに抽出された画像特徴量データを細分化し、炎症反応などの超早期の臨床データならびに観察可能な生体機能動態情報を創出し、局所線量増加や局所線量低減が有用な患者群を明らかにしていく。
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