研究課題/領域番号 |
23K14850
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
山内 遼平 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医学物理士 (00972184)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 乳がん / 放射線治療 / 堅牢性評価 |
研究開始時の研究の概要 |
乳房温存/切除術後の放射線治療が局所再発率の低減と生存率の向上を目的に行われている。高リスク症例の乳房照射では照射範囲が広くなるため、治療計画時に呼吸性移動や体型変化などをこれまで以上に考慮する必要がある。利用可能な唯一の対応策として、仮想ボーラス法と呼ばれる治療計画手法が提案されているが、臨床使用可能な条件は限られている。本研究では仮想ボーラス法を標準化するための網羅的な物理特性の解明に加えて、最悪シナリオの損失関数を最小にする最適化手法であるminmax最適化を用いた新たな治療計画手法を提案し、呼吸性移動や体型変化に対する乳がん高精度放射線治療の新たな治療戦略を開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究は近年利用が増加している強度変調放射線治療(IMRT)の技術を乳がん術後放射線治療に安全にかつ適切に応用することを目的としている。乳がん放射線治療の際には、呼吸性移動や治療期間中の体形変化が生じることが知られており、治療計画の段階でそれらを考慮する必要がある。先行研究では、このような治療中の不確かさに関する評価は限定的であり、網羅的な評価は行われていなかった。そのため、研究期間では、従来用いられている仮想ボーラス法と呼ばれる手法を再評価するとともに、呼吸性移動や体型変化などの臨床時に起こり得る複数シナリオを、入力関数として治療計画シミュレーションを行うminmax最適化の実現可能性を評価する。 2023年度は、仮想ボーラス法の構成条件である密度、厚さ、PTVサイズとの関連について検討を進めた。これまでは、密度のみが行われており、PTV厚との関係や付加するVB厚が及ぼす影響については検証されていなかった。本研究では、それらを考慮した呼吸性移動による堅牢性の評価(治療計画装置上でアイソセンターシフトの大きさを変化させた)を行った。これにより、従来考慮されていなかった仮想ボーラス厚が堅牢性に重要な因子であることを明らかにした。 2024年度も継続して仮想ボーラス法の検討を進めるとともに、ファントムを用いた実測による検証を行っていく。また、minmax最適化についてもシミュレーション計算を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来法である仮想ボーラス法の再評価を行い、これまで検討されていなかった構成条件が堅牢性に及ぼす影響について明らかにした。
|
今後の研究の推進方策 |
得られたデータをもとに仮想ボーラス法の評価をまとめ、学会発表および論文投稿をおこなう予定である。minmax最適化についてもシミュレーション計算を行い、有効性の検証を行う。
|