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粒子線治療のための理想的なスペーサー留置術に有用な3次元モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K14853
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52040:放射線科学関連
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

瀧山 博年  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所重粒子線治療研究部, 医長 (30839113)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード3Dプリンター / 医用画像 / 放射線治療 / スペーサー / 3次元モデル
研究開始時の研究の概要

がんに対する放射線治療は、体の外からがんを狙って放射線を照射しがん細胞を破壊する治療です。しかし、がんの周囲にある正常な臓器も破壊してしまうというデメリットもあります。このデメリットを防ぐため、がんと正常な臓器の間に「仕切り板(スペーサーと呼びます)」を手術で挿入することで、より安全かつ強力な放射線治療が行えるようになります。放射線治療は放射線科医が、スペーサーの挿入は外科医が行いますが、互いの専門領域が異なることから「どのように」スペーサーを留置したら良いか言葉や絵だけでは正確に説明することが難しいのです。そこで、互いに手に取ってイメージできるようなスペーサーの模型を作る方法を探索します。

研究実績の概要

初年度目標である3Dスペーサーモデルの開発と最適化のためのトライアルと評価を行いました。
具体的な手順は、1)臨床上得られたCT画像をもとに、放射線治療計画用ソフトウェア(今回はMIM maestro (MIM Software社))を用いてスペーサー挿入希望位置を描画します。2)その後RT structureファイルを出力し、臨床画像解析用ソフトウェア(今回はOsiriX MD (Pixmeo社))上で スペーサー領域を選択し3Dレンダリングを行いました。データフォーマットは汎用性の高い*.stl形式を選択します。3)得られた3Dスペーサーモデルに対して、3D CADソフトウェア(今回はAutodesk Meshmixer(Autodesk社)を 用いてスムージングを行います。この最適化操作に際して、3Dスペーサーモデルの構成密度に応じて、スムージング係数を要種調整する必要があり、パラメーターについては定型化が困難であることがわかりました。実施例数は12例で、想定通りの件数でした。
つづいて、次年度以降の目標であった3Dプリンターにより立体形成する方法を模索しました。低価格業務用プリンター(Creality K1 MAX , Creality社)を購入しセットアップを実施。データのローディングと各種パラメーター設定を行った上で、まずは3Dプリントの基本素材であるPLA(ポリ乳酸)にて造形を試みました。試行錯誤の上、最適なパラメーターを得ることができ次年度に向けての準備まで整ったところではありますが、一方でこの造形作業は気温や湿度などの外環境の影響を強く受けることがわかり結果が安定しないことがしばしばあることもわかりました。これらへの対策についても次年度以降立案します。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度目標である3Dスペーサーモデルの開発と最適化については完遂しましたが、その評価方法については次年度以降に持ち越すこととなりました。一方、並行して次年度目標としていた3Dプリンターによる立体形成の準備段階まで進めることができたことから、概ね順調な進展と評価しました。

今後の研究の推進方策

引き続き3Dスペーサーモデルの評価とより再現性と有効性の高くなるパラメーターについて模索します。立体形成についてはすでに始めているPLA(ポリ乳酸)から、より柔らかく実際の吸収性スペーサーと取り回しが似ていて実用性が高くなると思われる素材であるTPU(熱可塑性ウレタン)やABS樹脂による造形へと移行します。
環境の変化(温度や湿度)により造形が失敗することがあるのは思わぬ誤算でした。これらについても、パラメーターを気温に応じて変更するか、機械を一般居室ではなく環境の安定した部屋に移設するかも含め調整します。
3年目に行う予定であった、3Dスペーサーモデルと立体形成モデルの評価について、可能な限り繰り上げて評価をすすめていき、余裕を持って3年目に論文執筆まで行いたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 『スペーサー留置術の実際』-外科連携のポイント-2023

    • 著者名/発表者名
      瀧山博年
    • 学会等名
      日本放射線腫瘍学会第36回学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Carbon-ion radiotherapy for locally recurrent rectal cancer, experience from Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Hirotoshi Takiyama
    • 学会等名
      Annual meeting of Chinese medical association (ROC)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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