研究課題/領域番号 |
23K14861
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山瀬 喬史 金沢大学, 附属病院, 医員 (90972282)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 甲状腺癌 / 放射性ヨウ素内用療法 / 遺伝子組換えヒト型甲状腺刺激ホルモン製剤 / 腎機能 / は遺伝子組 換えヒト型甲状腺刺激ホルモン製剤 |
研究開始時の研究の概要 |
放射性ヨウ素内用療法は、分化型甲状腺癌の再発リスクの高い症例や遠隔転移を有する症例に対して行われる。治療の前処置に甲状腺ホルモン剤の休薬もしくは遺伝子組換えヒト型甲状腺刺激ホルモン製剤(rhTSH)の使用が必要であるが、休薬法は腎機能の低下を来し、治療の有害事象との関与が推測される。本研究の目的は、前処置の差異が治療の有害事象に与える影響を明らかにし、rhTSHの有用性を証明することである。
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研究実績の概要 |
甲状腺癌に対する放射性ヨウ素内用療法は,前処置として甲状腺ホルモン剤の休薬もしくは遺伝子組換えヒト型甲状腺刺激ホルモン製剤(rhTSH)の使用が必要である.休薬法は甲状腺機能が低下するため,腎機能の低下などの症状を来すが,甲状腺ホルモン剤の休薬と再開が治療中の腎機能や有害事象に与える影響を明らかにした報告はない.本研究では,放射性ヨウ素内用療法の実施された症例を,休薬群とrhTSH使用群で比較検討することにより,主に腎機能と有害事象の観点から,rhTSHの有用性を検討する.
令和5年度は,所属組織に研究計画の申請を行い承認を得た後,研究対象症例の選定と,解析データの収集を行った.目標症例数は休薬群,rhTSH群をそれぞれ30例としている.休薬群では目標症例数を達成しているが,rhTSH群では引き続き症例の選定をおこなっている.主な解析の対象となるデータは,治療時の診療情報(年齢,病歴,有害事象など)や,前処置や治療前後で比較可能な血液検査の結果(甲状腺機能や腎機能,その他の生化学検査など),被ばく量やI-131のクリアランスを推定するために必要な情報(画像データや体外放射線量の測定記録など)となる. 解析の対象となる症例では,生物学的半減期を腎機能や有害事象と比較検討するため,随時,治療時の測定記録より専用ソフトウェアを用いて実行半減期を算出する.ソフトウェアを用いた算出は,症例の選定,解析データの収集と並行して実施しており,現在も継続中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始にあたり,研究責任者の所属組織である金沢大学医学倫理審査委員会に対して,研究計画の申請を行い,承認を得た. 令和5年度は,研究対象症例の選定と,解析データの収集を行い,現在も継続中である. これらは研究計画の日程に準じており,進捗は予定通りであるといえる.
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は引き続き,データ収集を継続する.また,得られたデータ,診療情報の解析を順次おこなう. 解析結果から,放射性ヨウ素内用療法において,主に前処置の差異と腎機能や体内からの131Iのクリアランス,有害事象などの関係性を検証する.また,腎機能以外の血液検査や臨床情報についても,関連する要因がないか検証を予定している. 得られた研究成果については,随時,国内外で学会発表を行なう.
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