研究課題/領域番号 |
23K14872
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小島 宰 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (60749034)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 心電図同期CT / 深層学習 / 冠動脈石灰化スコア / 心電図同期CT画像 / 心疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
健康寿命の延伸を目指す我が国において、心疾患の予防は重要である。CTで算出可能な冠動脈石灰化スコアは、心疾患発症率と相関があり、事前に把握する事で心疾患の予防に繋がる。しかし冠動脈石灰化スコアの正確な算出は、検診でも実施される非心電図同期CT撮影では難しく、心電図同期CT撮影が必要である。しかし心電図同期CT撮影は、被ばくが多いために心疾患疑い患者以外への実施は難しい。 本研究は、まず非心電図同期単純CT画像から心電図同期単純CT画像を深層学習で生成し、 冠動脈石灰化スコアの正確な算出を目指す。次に、非心電図同期造影CT画像から心疾患の診断が可能な冠動脈CT画像の生成を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、まず心電図非同期CT画像から心電図同期CT画像を深層学習で生成し、その画像から冠動脈石灰化スコアの正確な算出を可能にすることである。さらに、将来的には造影画像を対象に心電図非同期造影CT画像から冠動脈CT画像の生成も目指している。令和5年度は、この長期計画の初年度として、心電図非同期単純CT画像から心電図同期単純CT画像を生成するモデルの構築を主眼に置いた。 初めに、我々はGPU搭載のPC環境を設定し、深層学習が可能な環境構築を行なった。次に、九州大学病院にてスキャンされた冠動脈石灰化スコア算出用CTデータから心電図非同期画像と心電図同期画像を再構成し、250症例の学習データセットを準備した。そして、その学習データセットで深層学習モデル構築のためのトレーニングを行った。そして構築した深層学習モデルの精度検証を行い、心電図非同期CT画像よりも、深層学習モデルによって生成された画像の石灰化スコアが真値(心電図同期CT画像の石灰化スコア)に34%(50症例中17症例)近づいたことが明らかとなった。しかし、この結果は当初の目標に対して低い精度であり、次年度以降さらなる改善に取り組む予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度において、我々はGPUを搭載したPCを用いて、深層学習モデルを構築するための環境を整えた。この研究はある程度予定通りに進行し、250症例の学習用データセットから心電図非同期CT画像を心電図同期CT画像に変換する深層学習モデルを開発した。しかし、このモデルによって生成したCT画像の石灰化スコアは、モデルを通す前の心電図非同期CT画像の石灰化スコアと比べて真値に近くなったのは、50症例中17症例(34%)のみであった。この精度は当初計画していた目標に比べて低く、さらなる改善に取り組む予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、本研究で開発した深層学習モデルの精度は期待に満たない状態である。そのため、今後はモデルの精度向上を第一目標として取り組む。具体的な改善策として以下の2つの方法を考えている。 ・データセットの拡充と改良:学習データセットの量を増やす。そして、より心拍動の影響を明瞭にしたデータセットにするためにFOVを小さくしたデータセットにすることも考えている。 ・モデルのトレーニングパラメータの最適化:バッチサイズやエポック数などのパラメータを見直し、効果的な学習が行えるパラメータを探索する。
|