研究課題/領域番号 |
23K14876
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小山 和也 順天堂大学, 保健医療学部, 講師 (10783326)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 深層学習 / ガンマカメラ / 散乱線補正 / モンテカルロシミュレーション / SPECT / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
ガンマカメラによる核医学検査では、収集データに含まれる直接線と散乱線を区別できないため、従来の散乱線補正法では散乱線の完全な除去が難しい。そこで、「高精度な散乱線補正を実現すれば、特定エネルギー域以外の収集データからも画像信号を抽出して活用できる」という仮説のもとに、人工知能を活用した高精度な散乱線補正を実現し、広範囲なエネルギー帯の収集データを画像信号として活用する技術の開発を通じ、核医学診断成績の向上を図る。実現すれば、正確な散乱線補正と画像信号の増強がもたらす空間分解能と信号/雑音比の改善により、核医学診断における微小病変の検出能や定量的な診断精度を大きく向上させる可能性が高い。
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研究実績の概要 |
令和5年度の目標1高精度な散乱線補正を実現する人工知能の構築 一般的なガンマカメラは、同時に複数エネルギーウインドウを設置してデータを収集する機能を有し、各ウインドウの収集データはエネルギー域によって直接線量と散乱線量の含有割合が異なることから、複数ウインドウの収集データを人工知能で同時に読み込み、データ間の関連性と散乱線特性について複合的に学習させることにより、光電ピーク以外のウインドウの散乱線の特徴も人工知能が認識し、広範囲に及ぶエネルギー域の収集データの散乱線補正が可能な人工知能を実現することを目的としている。これまでに、医用画像から特定領域を抽出するセグメンテーションに関するU-Net構造の深層学習ネットワークを構築した経験があり、このネットワークをもとに研究で使用するネットワーク構造にカスタマイズする作業を進めている。 令和5年度の目標2人工知能の教材データの取得 人工知能が学習するための教材はモンテカルロシミュレーションにより入手する計画である。研究ではPHITSコードを用いたシミュレーションによりデータを作成する。シミュレーションでは、コンピュータ内に実際の臨床検査で使用されるガンマカメラを再現し、実機で実際に取得したデータと相違がないかコミッショニングを行い、実機と同条件でデータ収集できるシミュレーション環境を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
人工知能の構築や学習では大型の演算装置を購入し、作業を進める計画をしていたが、安定した電力を供給できる設置場所を確保できずに、演算装置の性能を活用しきれていない状況が続いていた。現在はこの問題点については解決済みで、作業を進める環境が整備できている。 モンテカルロシミュレーションにより再現する予定だったガンマカメラであるが、当初にPHITSで再現して利用する予定だった機器が諸事情により使用できなくなり、別のガンマカメラに変更した。このため、コミッショニング作業等をやり直す必要が生じ、作業に遅れが生じてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を大きく変更するほどの遅れは生じていないが、前項の事情から、シミュレーションによる人工知能の教材データ取得に若干の遅れが生じている。シミュレーション演算は一つのデータを取得するための演算に大きな時間を要する。そこで、遅れを取り戻すために、演算装置を追加して作業にあたる計画をしている。
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