研究課題/領域番号 |
23K14878
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
武野 慧 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (80965559)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | BNCT / OIS / Head nad Neck Cancer / Radiation Therapy / ホウ素中性子捕捉療法 / 放射線治療 / 悪性腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
ホウ素中性子補足療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)は新しい放射線治療であり、細胞レベルで腫瘍特異的に粒子線を照射させることで抗腫瘍効果を発揮させることができることがその特徴である。しかしその腫瘍細胞および正常組織に対する影響については、動物実験データをもとに推定されたものをヒトに外挿することで求められていて、ヒトにおける線量効果関係は十分に検証されているとは言えないという課題がある。そこで、本研究ではその実臨床における照射線量と治療効果・有害事象の関係をもとにして、ヒトにおけるBNCTの線量効果関係を探索的に解明することを目指すものである。
|
研究実績の概要 |
2023年度はホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の線量効果関係を検討するための基盤となるデータベース(Oncology Information System: OIS)の構築に注力し、BNCT症例のデータを継続して集積できる仕組みを作った。ここで構築したOISはBNCTに対応したものとしてはほかに例がないものであり、この開発成果については第19回日本中性子捕捉療法学会学術大会・その他の研究会で発表した。 今回のOISの開発により多職種間の臨床業務の効率化と、臨床・研究の両立が可能となった。また、システム開発と並行して、その運用に必要なハードウェアの整備も行った。本成果は本研究課題遂行の基盤になるだけではなく、今後のBNCT研究におけるデータ集積プラットフォームになりえるものであると言え、その点でも非常に重要なものであると考えている。 また、上記と並行してBNCTの症例集積を引き続き進めていっていった。さらに、その過程でBNCTの保険診療開始2年間のデータをまとめて、初期的な検討を行った。ここで得られた検討結果はBNCTの保険診療が始まってから初めての報告であり、今後のBNCT臨床の標準治療の中での位置づけを考えるうえでも非常に重要なものである。この研究成果は日本放射線腫瘍学会第36回学術大会・その他の研究会で発表し、さらに現在英文誌に投稿中である。 また、ここで行った初期的検討はデータベース収集項目に過不足ないかを検討する予備的解析として位置づけられるものであり、次年度以降の本研究課題遂行にとって非常に重要なものであると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の研究計画としては、「BNCTのデータベースシステムの作成」「データベースを用いたBNCTの症例集積」「集積したデータの初期的解析の実施」であり、それらは概ね達成できたと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度に行った初期的解析結果をもとに、BNCTのデータベースシステム(Oncology Information System: OIS)の改良を行い、引き続き症例集積を進めていく。 また、BNCTの線量効果関係を明らかにするうえで、以下の2点を2024年度以降の目標としている。 ・BNCTの特徴を踏まえた治療効果指標を明らかにすること ・BNCTの線量を考える上ではFPBA-PETの結果を活用することが必須であり、それを線量計算に組み込む方法を明らかにすること
|