研究課題/領域番号 |
23K14889
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
長野 拓也 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (80792019)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 定位放射線治療 / 舌癌 / 口腔内スペーサー / 口腔内マーカー / 3Dプリンター / 医療機器 |
研究開始時の研究の概要 |
定位放射線治療(SBRT)は、腫瘍に対して多方向から3次元的に集中的に放射線を照射する技術です。舌がんに対してSBRTを行う場合、舌を固定することが困難であるため、実用化されてきませんでした。これを解決するため、舌吸引固定型スペーサーを発明し、舌が安定して固定できることを確認しました。本研究では、実際にスペーサーを用いて臨床試験を実施し、舌の固定精度を確かめます。また、SBRTを行うにあたり、上下顎骨への照射線量を低減する最適なスペーサーの形状を明らかにし、舌癌を切らないで根治させる新しい治療法の確立を目指します。
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研究実績の概要 |
・3Dプリンターで中空状のマーカー容器を形成し、中身にCT、X線であれば硫酸バリウムを、MRIであれば食用油を注入し、封入してマーカーとする、全く新しいコンセプトのマーカーを発明した。この新規マーカーを用いて、X線透視による視認性確認、及び、当該研究で開発中のスペーサーの固定精度評価を行うため、健常ボランティア5人を対象とした特定臨床研究①を2023年9月に開始し、有効な視認性を確認した。MRI用の試作品マーカーの視認性についても、研究代表者自身がマーカーを舌に乗せてMRIを撮像し確認した。 ・この研究で視認性、安全性、接着性を確認できたため、2024年2月に特許申請を行った。 ・続いて、実際の定位放射線治療に準じた条件下で舌癌患者のMRIを撮影し、舌及び照射予定部位の固定精度、視認性、安全性を評価する特定臨床研究②を2024年8月より開始する。 ・アメリカで当該プロダクトを上市するため、応募したGTIE GAPファンドプログラム2024 海外市場開拓実践コースに採択された。アメリカで臨床試験を行い、アメリカでスタートアップを起業するため、複数回渡米する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特定臨床研究①は予想通りの結果であった。スペーサーの素材をレジンではなく、軟素材である歯科咬合スプリント用材料(Kulzer社製 商品名:ディーマプリントソフトスプリント)に変更し、同じコンセプトでMRIを使った舌癌患者を対象とした特定臨床研究②を8月から患者エントリー開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
GTIEからの支援を受けて、アメリカでの臨床試験に備えて、アメリカの主要病院とコンタクトをとっている。アメリカ人の放射線腫瘍医と協力して、初めての舌癌患者に対する定位放射線治療を行っていく。今年度中に、日本で最初の定位放射線治療をするか、アメリカで行うか、方向性を決めたい。
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